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上がり3Fの読み方 — 33秒台は本当にすごいのか

上がり3F(あがりさんはろん)はゴール手前600mのタイムで、末脚の指標として最もよく引用されます。ただ、33秒台なら強い、と単純には読めません。ペースと距離しだいで1秒以上動く、文脈込みの数字だからです。
30秒でわかる
  • 33秒台は速い部類、ただしスロー戦なら出やすい数字。ペースと距離で1秒以上動く
  • レースをまたいだ秒数の比較より、そのレース内で上がり何位かのほうが崩れにくい
  • 事前に使えるのは前走までの上がり。北九州記念では勝ち馬10頭中8頭が前走34.0秒以内

何を測った数字か

1ハロンは200m。上がり3Fは、最後の3ハロン=ラスト600mを走るのに要した時間です。

ひとつ紛らわしい点があります。「レースの上がり」は先頭の馬を基準に測ったレース全体の数字で、出馬表や成績表に載る「各馬の上がり」はその馬自身がラスト600mに使った時間。同じ言葉で別のものを指すので、どちらを見ているかは意識しておいて損がありません。

相場観としては、芝の良馬場で34〜35秒台が標準的、33秒台は速い部類です。新潟の直線1000mのような特殊条件なら32秒台も出ます。

同じ「上がり」でも何を測った数字か
レースの上がり先頭の馬を基準に測ったレース全体の数字
各馬の上がりその馬自身がラスト600mに使った時間(出馬表・成績表に載るのはこちら)

目安の数字

よく使われる目安を一覧にしておきます。

上がり3F目安
33.5秒以内G1級の鋭い末脚
33.6〜34.5秒重賞で通用する水準
34.6〜35.5秒平均的
35.6秒以上末脚型ではない。先行押し切り型に多い

ペースが遅いほど速く出る

上の表には前提があります。良馬場で、平均的な流れであること。前提が変わると数字は1秒単位でずれます。

前半がスローに流れると全馬に余力が残り、上がりは全体に速く出ます。スロー戦で出した33.5秒より、ハイペースを追走した末の35.0秒のほうが中身が濃い、ということは普通にあります。距離が短いほど、馬場が軽いほど速く出るのも同じ理屈です。

だから絶対値の比較は、レースをまたぐと崩れやすい。頼りになるのは「そのレースの中で上がり何位だったか」という相対評価のほうです。条件が変わっても上がり上位を繰り返している馬の末脚は、信用しやすいと言えます。

秒数を横に並べる前に、前半の流れとレース内の順位を確かめる
  1. 前半の流れスローに流れると全馬に余力が残り、上がりは全体に速く出る
  2. 上がり何位かレースをまたぐ絶対値の比較より、そのレース内での相対評価のほうが崩れにくい
  3. 繰り返し上位条件が変わっても上がり上位を繰り返している馬の末脚は信用しやすい
距離が短いほど、馬場が軽いほど速く出るのも同じ理屈(本文 section 2 より)。
同じ上がりでも中身
スロー戦で出した33.5秒前半が緩く全馬に余力が残るため、速く出やすい数字
ハイペースを追走した末の35.0秒秒数は遅いが中身が濃い、ということは普通にある

事前に使えるのは「過去走の上がり」

当然ですが、今日のレースの上がりはレースが終わるまで誰にも分かりません。数字として事前に使えるのは、前走までの上がりです。

実際、重賞メタ読みの63項目にも前走・過去の上がりが入っています。たとえば北九州記念の「勝ち切る」レンズでは、「前走上がり34.0秒以内」の該当が勝ち馬10頭中8頭。それ以外の馬では50%で、差は+30ポイントでした。効き方はレースごとに違うので、気になる重賞のカードで確かめてみてください。

事前に手元にあるのは「前走までの上がり」だけ
  1. 前走の上がり数字として事前に使えるのはこちら
  2. 今日の上がりレースが終わるまで誰にも分からない
重賞メタ読みの63項目にも前走・過去の上がりが入っているが、効き方はレースごとに違う。
この記事の持ち帰り
  • 単発の33秒台より、条件が変わっても上がり上位を繰り返している馬を信用する
  • 前半の流れを確かめてから比べる。追走しての35.0秒は中身が違う
  • 「レースの上がり」と「各馬の上がり」は別物。どちらの数字か先に確かめる
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