馬券に人生フルベット ← 戻る

血統の通説は、数字でどこまで裏付くか

血統は競馬でいちばん豊かな語り口ですが、通説を数字で確かめにいくと、裏付けが取れる話と取れない話にはっきり割れます。本サイトで実際に集計・検証した結果を、「言えること」と「言えなかったこと」に分けて置いておきます。
30秒でわかる
  • 「芝向きかダート向きか」は数字に出る。ディープインパクト産駒は3着内率で芝30%・ダート19%
  • コース単位の産駒評は3回検証して3回とも裏付けが取れなかった。通説が誤りとは別の話
  • ニックスは名馬が出たあとの説明で、現役数頭〜数十頭では予測に使えない

記録として確定していること

リーディングサイアー(産駒の獲得賞金が首位の種牡馬)の歴史は動かない事実です。サンデーサイレンスが1995年から2007年まで13年連続首位(歴代最長)。ディープインパクトが2012年から2022年まで11年連続。そして2023年はドゥラメンテが、父も内国産種牡馬である「父内国産馬」として史上初めて首位に立ちました。

母の父(BMS)側にも同じ記録があります。首位はノーザンテースト→サンデーサイレンス(2006〜2019年の14年連続)→キングカメハメハ(2020〜2022年)と移り、2023年にディープインパクトが初めて取りました。

もうひとつ。現存するサラブレッドの父系は、9割以上がダーレーアラビアン系にさかのぼります(JRA)。血統表の父系をたどる遊びは、実はかなりの一本道です。

長期首位はこの2頭、2023年に初の父内国産馬
  1. サンデーサイレンス1995〜2007年・13年連続首位(歴代最長)
  2. ディープインパクト2012〜2022年・11年連続首位
  3. ドゥラメンテ2023年・父内国産馬として史上初の首位
産駒の獲得賞金首位(リーディングサイアー)の記録。本文で触れている年のみを並べたもので、間の年の首位馬は含みません。母の父(BMS)側の首位はノーザンテースト→サンデーサイレンス(2006〜2019年)→キングカメハメハ(2020〜2022年)→2023年ディープインパクト。

芝・ダートの大分類は数字に出る

産駒がどちらの馬場を主戦場にするかは、集計すれば見えます。ハーツクライ産駒は通算で芝12,365出走・1,117勝に対し、ダートは5,276出走・434勝(産駒デビュー以来の累計)。出走の選択からして芝に寄っています。

3着内率で見ても割れます。本サイトの集計(JRA平地・2021〜2024年・約18万3千頭、全体平均は約22%)では、ヘニーヒューズ産駒が芝15%・ダート28%、ディープインパクト産駒が芝30%・ダート19%。得手不得手がきれいに反転しています。この粒度なら、血統は数字で語れます。

得手不得手は3着内率できれいに反転する
ヘニー芝15%
ヘニーダート28%
ディープ芝30%
ディープダート19%
全体平均22%
ヘニー=ヘニーヒューズ、ディープ=ディープインパクト。本サイトの集計(JRA平地・2021〜2024年・約18万3千頭)。全体平均は約22%。
ハーツクライ産駒出走勝利
芝12,3651,117
ダート5,276434

コース単位の通説は裏付けが取れなかった

問題はここからです。「ディープ産駒は東京の瞬発力勝負に強い」「ステイゴールド系は小回りのタフな馬場向き」「ダイワメジャー産駒はマイルが本業」——広く語られる産駒別のコース適性を、無料で確認できる範囲の成績データで検証したところ、3回試して3回とも数字の裏付けに失敗しました。

通説が間違いだと証明されたわけではありません。確かめられる粒度のクロス集計が、無料データの範囲では手に入らないというのが正確なところです。ただ少なくとも、「よく言われているから」だけを根拠に採用できる話ではありませんでした。語られる頻度と裏付けの強さは、別物です。

ニックスは予測ではなく、後からつく説明

ステイゴールド×母父メジロマックイーンの配合からオルフェーヴルとゴールドシップが出た、という話は記録として実在します。いわゆるニックス(相性の良い配合)です。

ただしニックスは、名馬が出たあとに振り返って見出される説明です。これから走る馬の判断に使おうとすると、その組み合わせの現役頭数はたいてい数頭から数十頭。偶然と実力を切り分けられる規模ではありません。

整理すると

ここまでの検証結果を一枚にまとめます。

血統の話数字の裏付け
リーディング・受賞などの記録確定した事実
芝・ダートの大分類、距離帯の傾向集計で確認できる
コース単位・レース単位の産駒評無料データでは確認できず
ニックス(配合の相性)後付けの説明。予測には母数不足

このサイトでの扱い

重賞カードの「効く指標」に血統系の項目が並んでいないのは、レース単位で効くと言えるだけの裏付けが取れなかったからです。血統はロマンとして最高の題材で、だからこそ、数字で言える範囲は正直に区切っておきたいと思っています。

この記事の持ち帰り
  • 芝かダートかの適性は産駒別の3着内率で見る。全体平均は約22%が基準線
  • 「○○産駒はこのコースに強い」は根拠の集計があるか先に確かめる
  • 配合の相性の話は、その組み合わせの現役頭数を見てから重みを決める
🏇 重賞メタ読みを見る → 重賞カレンダーで日程を確認 →
馬券に人生フルベット
馬券に人生フルベット
データで楽しむ競馬 / 重賞の参考スコアを無料公開
むずかしい数字を見やすく整理してお届け。過去データから効く指標と効かない通説を数値で可視化。「予想の断定」ではなくデータに基づく参考スコアを無料公開しています。