クラスと収得賞金 — 未勝利からG1までの階段
- 「1勝クラス」の1勝は勝った回数でなく収得賞金の単位。2019年6月の改称でも基準は変わっていない
- 夏に4歳馬が下のクラスへ落ちる降級は2019年に廃止され、いまは昇級だけの一方通行
- 重賞で「3勝以上」「重賞勝ち経験」が効くのはこの階段の反映と読める。オークスの「3勝以上」は3着内57%対着外12%
階段の全体像
JRAのクラスは、下から順にこう積み上がっています。
| クラス | 収得賞金 | 補足 |
|---|---|---|
| 新馬・未勝利 | — | デビュー戦と、勝ち上がり前の馬 |
| 1勝クラス | 500万円以下 | 旧・500万下 |
| 2勝クラス | 501〜1,000万円 | 旧・1000万下 |
| 3勝クラス | 1,001〜1,600万円 | 旧・1600万下 |
| オープン | 1,600万円超 | OP特別・リステッド・G3・G2・G1 |
名前は「勝」、中身は「お金」
「1勝クラス」という呼び名から勝利数で区切っていると誤解されがちですが、区分の基準は収得賞金だけです。2019年6月に呼び名が「500万下」などから変わった際も、基準そのものは変わっていません。「クラス基準が勝利数ベースになった」という説明を見かけたら、それは誤りです。
収得賞金はどう貯まるか
収得賞金は、実際に受け取る本賞金とは別勘定のクラス分け専用の数字です。原則として1着(重賞は2着まで)のときに加算されます。
加算額は、新馬・未勝利で400万円、1勝クラスで500万円、2勝クラスで600万円、3勝クラスで900万円。順に勝ち上がると計2,400万円でオープン入り、というのが典型コースです。重賞はさらに大きく、原則として本賞金の半額が加算されるので(2歳GⅢのみ定額)、勝てば階段を一気に駆け上がります。
- 新馬・未勝利勝つと400万円加算
- 1勝クラス勝つと500万円加算
- 2勝クラス勝つと600万円加算
- 3勝クラス勝つと900万円加算
- オープン計2,400万円でオープン入り
2019年に「降級」が消えた
かつては夏に4歳馬の収得賞金が半減され、上のクラスから下へ降りてくる「降級」制度がありました。これは2019年夏に廃止され、いまは昇級だけの一方通行です。
つまり「夏の降級馬狙い」という古い攻略法は、対象そのものがもう存在しません。年数の経った記事や動画の知識には、この改正を踏んでいるものが混ざっています。
重賞の格付け
G1・G2・G3の格付けは1984年のグレード制導入で始まり(当初はJRA自身が格付け)、現在は日本グレード格付け管理委員会(2009年設立)が審査しています。リステッド(L)はオープン特別のうち重賞に次ぐ格付けとして2019年に導入されました。
地方競馬のダート重賞に付く「JpnⅠ」は国際格付けのGⅠとは別枠の表記です。2024年からは羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートクラシック(いずれも大井・JpnⅠ)による3歳ダート三冠も整備されました。
| 表記 | 位置づけ | 備考 |
|---|---|---|
| G1・G2・G3 | 重賞の格付け | 1984年のグレード制で導入。現在は日本グレード格付け管理委員会(2009年設立)が審査 |
| リステッド(L) | オープン特別のうち重賞に次ぐ格付け | 2019年に導入 |
| JpnⅠ | 地方競馬のダート重賞に付く表記 | 国際格付けのGⅠとは別枠。2024年から3歳ダート三冠(いずれも大井) |
メタ読みで「格」が効く理由
重賞カードの63項目には「3勝以上」「重賞勝ち経験」「GⅠ経験」といった格の指標が入っています。たとえばオークスでは「3勝以上」の該当が3着内馬57%に対し着外馬12%(差+45ポイント)、「重賞勝ち経験」が60%対24%(+36ポイント)でした。
収得賞金の階段は「そこまでに何を勝ってきたか」の要約です。階段の上にいる馬ほど強い相手に底を見せていない。格の指標が効く重賞が多いのは、この仕組みの反映と読めます。
- 出馬表のクラス表記は、勝った回数でなく到達した賞金の位置として読む
- 重賞では出走各馬の3勝以上・重賞勝ち経験の有無を出馬表で確かめる
- 「夏の降級馬狙い」に触れる解説は、2019年より前の情報として扱う