斤量と減量騎手 — ▲△☆の意味と、重賞で消える減量
出馬表の斤量欄には、実は4種類の決め方があります。そして騎手名の横の▲△☆は若手騎手の減量記号ですが、この減量はハンデ戦や特別競走(重賞を含む)では適用されません。仕組みを順に見ていきます。
30秒でわかる
- ▲△☆の減量が効くのは平場(一般競走)が中心。ハンデ戦と特別競走では適用されず、重賞もそこに含まれる
- 同じ57kgでも決め方は4方式。1頭ずつ人が判断するのはハンデだけで、別定は規則どおりの機械処理
- 女性騎手は別枠。見習を終えたあとも◇の-2kgが恒久的に残ります
斤量とは
斤量は、騎手の体重に鞍などの装具を合わせた負担重量です。規定より軽い騎手は鉛の板を積んで調整します。全馬の背負う重さを揃える、あるいは意図的に差をつけるための仕組みです。
決め方は4方式
同じ「57kg」でも、その数字がどう決まったかは4通りあります(競馬施行規程)。
| 方式 | 決まり方 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| 馬齢重量 | 年齢と性別で一律(3歳は牡57kg/牝55kg) | 2〜3歳の同一年齢限定戦 |
| 定量 | 年齢・性別で一律 | GⅠの多く |
| 別定 | 基礎重量に賞金・勝利数などを機械的に加算 | 一部の重賞・OP |
| ハンデ | ハンデキャップ作成委員(ハンデキャッパー)が1頭ずつ個別に設定 | ハンデ戦 |
「別定」と「ハンデ」を混同しない
「別定は過去成績を見て個別に決める」という説明をたまに見かけますが、誤りです。人の判断が1頭ずつ入るのはハンデだけで、別定は規則に当てはめて機械的に決まります。
なお牝馬は混合戦で2kg減(3歳以上の場合。2歳は時期により0〜1kg減)。これは性別のアローワンス(一律の調整)で、ハンデとは別の話です。
減量騎手の▲△☆と★◇
若手(見習)騎手には、経験不足を斤量で補う減量制度があります(平地・男性騎手の場合)。
| 記号 | 減量 | 条件 |
|---|---|---|
| ▲ | -3kg | 通算30勝以下 |
| △ | -2kg | 31〜50勝 |
| ☆ | -1kg | 51〜100勝 |
女性騎手は別枠
減量は通算101勝に達するか、免許取得から5年経つと消滅します。
女性騎手には別枠があり、見習期間中は50勝以下で-4kg(★)、51〜100勝で-3kg。さらに見習期間を終えたあとも恒久的に-2kg(◇)が続きます(2019年導入)。
- 50勝以下★ -4kg(見習期間中)
- 51〜100勝-3kg(見習期間中)
- 見習終了後◇ -2kg が恒久的に続く
◇の-2kgは2019年導入。見習の減量そのものは通算101勝に達するか、免許取得から5年経つと消滅する。
ハンデ戦・特別戦では減量が消える
この記事でいちばん実用的な話です。▲△☆の減量が適用されるのは平場(一般競走)が中心で、ハンデ戦と特別競走——重賞を含みます——では適用されません。
つまり「平場で▲3kgの恩恵込みで好走してきた馬」が特別戦に出てくると、その3kgは消えます。過去走の斤量を見るときは、その好走が減量込みだったかどうかまで確かめる価値があります。
ちなみに函館記念や七夕賞など、ローカルの名物重賞にはハンデ戦が多くあります。ハンデ戦は実績上位馬ほど背負わされる建て付けなので、そもそも波乱の余地が広めです。レースごとの癖は重賞カードで確かめてください。
- 平場で好走▲3kgの恩恵込みの着順
- 特別戦へハンデ戦・特別競走(重賞を含む)
- 減量が消えるその3kgは適用されない
- 着順を割引減量分が戻る前提で前走を見る
▲△☆の減量が適用されるのは平場(一般競走)が中心。
この記事の持ち帰り
- 過去走の斤量が▲△☆の減量込みかを、好走の評価より先に確かめる
- 平場で好走した馬が特別戦に出るときは、減量分が戻る前提で前走の着順を割り引く
- ハンデ戦の重賞(函館記念・七夕賞など)なら、実績上位馬にどこまで斤量が積まれたかが最初のチェック項目