1番人気は3回に1回しか勝たない
32%は「低い」のではなく「頭抜けて高い」
18頭立てで力が完全に互角なら、1頭あたりの勝率は5.6%です。32%はその6倍近くあり、2番人気以下のどの人気帯よりも高い数字です。
オッズは大勢の参加者の見立ての集約です。本サイトの集計(JRA平地・2021〜2024年・約18万3千頭)でも、単勝1.9倍以下に支持された馬は勝率51%・複勝率81%まで上がります。市場の見立ては、素朴な逆張りで出し抜ける相手ではありません。
ただし条件しだいで大きく揺れる
同じ「1番人気」でも、頭数と相手関係で信頼度はかなり変わります。
| 条件 | 1番人気の勝率 |
|---|---|
| 7頭立て以下 | 46% |
| 全体平均 | 約32% |
| フルゲート級(16〜18頭) | 30%前後 |
| 重賞 | 25.9% |
重賞では4回に1回まで下がる
頭数が増えるほど、相手が強くなるほど、1番人気の優位は目減りします。重賞に限ると勝率は25.9%(本サイト集計・2021〜2024年)。「重賞は人気馬でも案外あっさり負ける」という体感には、数字の裏付けがあるわけです。
このサイトが重賞のメタ読みを扱っているのも、重賞が人気だけでは読み切れない領域だからです。
大穴側には名前のついた偏りがある
本命側と大穴側では、オッズの正確さに非対称があることが知られています。大穴は平均して実力以上に買われやすい——競馬経済学で繰り返し確認されてきた現象で、favorite-longshot bias(本命・大穴バイアス)という名前までついています。
実感の湧く数字を挙げます。同じ集計期間で単勝50倍超の馬をすべて買い続けたと仮定すると、戻りは賭け金の56%でした。控除率から期待される75%を、さらに20ポイント近く下回ります。「人気薄ほど夢がある」は配当の大きさの話としては本当ですが、収支の話としては逆に働きます。
よく当たると儲かるは別問題
では1番人気を買い続ければいいかというと、そうもいきません。重賞の1番人気の単勝を同じ期間ずっと買い続けた場合、戻りは81.2%。負け方がましになるだけで、プラスには届きませんでした。
「当たりやすさ」と「収支」がなぜこうも分離するのか。それは控除率の仕組みの話になるので、関連ガイドに続きを書きました。