朝日杯FSの出走条件 — 18頭立ては10年で1回、1勝馬も届く賞金順
- JRA所属馬の優先出走権はない。18枠は外国馬 → 地方馬 → 通算の収得賞金の順で埋まり、同じ額が並べば抽選
- 2016〜2025年に18頭立ては1回だけ。登録が多かった2016年と2024年も、境目は400万円の1勝馬の中だった
- 3着内率は前走重賞組23%(83頭中19頭)、新馬・未勝利組22%(27頭中6頭)、リステッド・OP組16%(19頭中3頭)、1勝クラス組7%(29頭中2頭)。出走馬全体は160頭中30頭の19%
2026年の朝日杯FS — 12月20日・阪神の芝1,600m
朝日杯FSは2歳の牡馬と牝馬による阪神の芝1,600m(外回り)のGⅠで、2026年は12月20日(日)、5回阪神の6日目に第78回を迎えます。デビュー前の馬と、走っても収得賞金を持たない未勝利馬は出られません。せん馬も対象外です。斤量は馬齢重量で牡馬56kg・牝馬55kg、フルゲートは18頭。1着の本賞金は2025年の7,000万円から8,000万円に増えました。
起源は1949年に中山で始まった「朝日盃3歳ステークス」(1970年から朝日杯3歳ステークス)で、関東の2歳王者(当時の表記では3歳)を決めるレースでした。1962年から1,600mで行われ、1984年のグレード制導入でGⅠに格付けされました。2001年に今の名前へ改められ、2010年に国際競走、2014年に阪神へ移っています。2024年は阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事のため、京都の芝1,600m(外回り)が代わりの舞台でした。
| 項目 | 2026年の朝日杯FS |
|---|---|
| 日付 | 12月20日(日)5回阪神6日 |
| コース | 阪神 芝1,600m(右・外回り) |
| 出走資格 | 牡・牝の2歳(未出走馬・未勝利馬を除く)、国際・指定 |
| 負担重量 | 馬齢重量 牡56kg・牝55kg |
| フルゲート | 18頭 |
| 本賞金 | 1着8,000万円、2着3,200万円、3着2,000万円、4着1,200万円、5着800万円 |
| 特別登録 | 第1回12月6日(日)2万円、第2回12月17日(木)8万円。外国馬は12月17日に10万円 |
| 出馬投票 | 12月17日(木)12時〜14時 |
| JRA所属馬の優先出走権 | なし |
出走枠の順番 — 京王杯2歳Sを勝っても中央の馬は賞金の列
京王杯2歳Sを勝った中央の馬が手にするのは、朝日杯FSの優先枠ではなく、収得賞金に加わる2,000万円です。その賞金の列で、2016年と2024年の特別登録は400万円(新馬戦か未勝利戦の1勝)の馬どうしの間に境目がありました。枠は外国馬、条件を満たした地方所属馬(後の節を参照)、中央の馬の収得賞金順の3段で、JRAの朝日杯FSのページもJRA所属馬の優先出走権を「なし」としています。
新馬勝ちの400万円から積み上がる額
新馬戦を勝てば収得賞金は400万円、続けて1勝クラスを勝てば計900万円、新馬戦の次にGⅢを勝てば計2,000万円になります。デビューからの勝ち上がりに応じて下の表の額が足されていき、ダートで勝った分も同じように数えます。芝の分だけで並べる春の3歳GⅠとは、ここが違います。
境目の18番目に同じ額の馬が何頭も並んだときは、抽選で決めます。古馬の重賞で使う出走馬決定賞金のような、同額の馬を並べ直すための別の基準は2歳のレースにはありません。特別登録の一覧で枠の外にいても、上の馬が出馬投票をしなければ繰り上がります。正式な順番は、出馬投票の締切前日までの成績で決まります。
| 2歳の競走(2026年度) | 1着で加わる額 | 2着で加わる額 |
|---|---|---|
| 新馬・未勝利 | 400万円 | — |
| 1勝クラス | 500万円 | — |
| オープン特別 | 600万円 | — |
| リステッド | 800万円 | — |
| GⅢ | 1,600万円 | 600万円 |
| GⅡ・GⅠ | 本賞金の半額 | 本賞金の半額 |
| 京王杯2歳S・デイリー杯2歳S(GⅡ) | 2,000万円 | 800万円 |
18頭がそろったのは10回で1回 — 賞金の境目と400万円の馬
2016〜2025年の朝日杯FSで、フルゲートの18頭がそろったのは2016年の1回だけです。残りの9回は14〜17頭立てでした。出走が18頭に届かなかった年は、出馬投票の段階では賞金の順番で外された馬がいなかったことになります。
境目にいたのは400万円の馬
特別登録の時点の出走馬決定順一覧を見ると、2016年と2024年は、枠の線が収得賞金400万円の馬の中に引かれていました。900万円以上の馬は圏内に収まり、同じ400万円の馬どうしで残りの枠を分ける形です。2024年に枠を分け合った400万円の馬の中には、勝ったアドマイヤズームもいました。
頭数割れの年が9回あったので、後半のデータは、賞金の順番でふるい落とされた後の比較というより、陣営が出走を選んだ馬どうしの比較として読むのが自然です。
新馬戦・未勝利戦を勝ったばかりの馬
前走で新馬戦か未勝利戦を勝ってそのまま朝日杯FSに来た馬は、収得賞金が原則としてその1勝の400万円です。2016〜2025年にこの形で出走したのは27頭で、3着内は6頭。1着が2020年のグレナディアガーズと2024年のアドマイヤズーム、3着が2019年のグランレイ、2022年のレイベリング、2023年のタガノエルピーダ、2024年のランスオブカオスです。
トライアルの代わりに — 賞金を積む4つのステップレース
朝日杯FSには、着順で出走権を渡すトライアルがありません。JRAの馬が枠に近づく方法は、収得賞金を増やすことに尽きます。新馬戦か未勝利戦を1つ勝っただけの400万円では、登録の多い年に同じ額の馬どうしで残りの枠を分けることになり、2016年と2024年はその形でした。
朝日杯FSへの4つのステップ
JRAの朝日杯FSのページは、主なステップレースに新潟2歳S、サウジアラビアロイヤルC(サウジアラビアRC)、京王杯2歳S、デイリー杯2歳Sの4つを挙げています(デイリー杯2歳Sはホープフルステークスのページにも掲載)。GⅢの2つは勝てば1,600万円、GⅡの2つは2,000万円が収得賞金に加わり、2着でも600万円・800万円を積めます。
ステップレースに出るための条件
サウジアラビアRC・京王杯2歳S・デイリー杯2歳Sは、朝日杯FSと同じく未出走馬と未勝利馬を受け付けません。申込みがあふれれば収得賞金の多い順、同額なら抽選で、除外されても次走の優先は付きません。京王杯2歳Sとデイリー杯2歳Sは馬齢重量でフルゲート18頭、距離は京王杯2歳Sだけが1,400mです。
8月の新潟2歳Sは資格が「2歳」とだけ書かれたレースで、未勝利馬でも出られます。未勝利のまま2着に入れば600万円が加わって未勝利馬ではなくなり、京王杯2歳S・デイリー杯2歳S・朝日杯FSに申し込めるようになります。重賞の手前で賞金を積む1勝クラスも、2026年度から出走順が変わりました。直前の1走が4節以内に行われた中央の平地競走で5着以内だった1勝クラスの馬(未勝利馬は除く)が最上位です。
| レース(2026年) | 日付・競馬場 | コース | 出走資格 | 1着本賞金 |
|---|---|---|---|---|
| 新潟2歳S(GⅢ) | 8月23日(日)・新潟 | 芝1,600m(左・外回り) | 2歳(未勝利馬も可)、特指 | 3,400万円 |
| サウジアラビアRC(GⅢ) | 10月10日(土)・東京 | 芝1,600m(左) | 2歳(未出走馬・未勝利馬を除く)、特指 | 3,600万円 |
| 京王杯2歳S(GⅡ) | 11月7日(土)・東京 | 芝1,400m(左) | 2歳(未出走馬・未勝利馬を除く)、指定 | 4,000万円 |
| デイリー杯2歳S(GⅡ) | 11月14日(土)・京都 | 芝1,600m(右・外回り) | 2歳(未出走馬・未勝利馬を除く)、指定 | 4,000万円 |
【データ】出走馬160頭と3着内30頭 — 前走のルート別に見る
以下は当サイトの集計で、2016〜2025年の朝日杯FS10回(2024年は京都)を数えています。図の「その他の重賞から」は、前走がGⅡ・GⅢだった馬のことで、地方の交流重賞も含みます。3着内30頭の前走は、重賞が19頭、新馬・未勝利が6頭、リステッド・オープン特別が3頭、1勝クラスが2頭でした。出走馬160頭では、重賞83頭、1勝クラス29頭、新馬・未勝利27頭、リステッド・オープン特別19頭の順です。重賞83頭には、前走がダートの兵庫ジュニアグランプリ(地方の交流重賞・JpnⅡ)だった3頭(2016年リンクスゼロ、2018年イッツクール、2024年コスモストーム)が入っています。
残る2頭はどちらも2017年の出走馬です。前走が当時の2歳500万下(今の1勝クラスにあたる)だったムスコローソは図の「条件戦から」、地方の一般競走だったイシマツは「その他」に数えました。
ルートごとの3着内率は、重賞組が83頭中19頭で23%、新馬・未勝利組が27頭中6頭で22%と、ほぼ並びます。前走が1勝クラスの競走だった馬は29頭中2頭の7%(ムスコローソを加えた30頭中2頭でも7%)、リステッド・オープン特別組は19頭中3頭の16%で、出走馬全体の19%(160頭中30頭)を下回りました。新馬・未勝利組は1年に3頭弱、1勝クラス組も3頭ほどしかいないため、1〜2頭で率が大きく動きます。
前走のレース別
レース名で見ると、出走が多いのは1勝クラスの29頭と、京王杯2歳S・デイリー杯2歳Sの各25頭です。3着内はデイリー杯2歳S組の8頭(32%)が最多で、同じ25頭が出た京王杯2歳S組は4頭(16%)でした。サウジアラビアRC組は14頭中6頭(43%)、新馬組は9頭中3頭、未勝利組は18頭中3頭で、どれも10回合わせて30頭に届かない母数です。
前走1着の馬は3着内30頭のうち25頭(83%)を占め、出走馬160頭全体での57%を26ポイント上回りました。
- その他の重賞から19頭63%
- リステッド・オープン特別から3頭10%
- 新馬・未勝利から6頭20%
- 1勝クラスから2頭7%
- その他の重賞から83頭52%
- リステッド・オープン特別から19頭12%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利1頭0%
- 新馬・未勝利から27頭17%
- 1勝クラスから29頭19%
- その他1頭0%
勝ち馬10頭の前走 — サウジアラビアRC組とデイリー杯2歳S組が3頭ずつ
10回の勝ち馬のうち6頭は、前走がサウジアラビアRC(3頭)かデイリー杯2歳S(3頭)でした。2017年のダノンプレミアム、2019年のサリオス、2022年のドルチェモアはサウジアラビアRCを勝ち、71日あけて本番を制しています。デイリー杯2歳S組の3頭は36日の間隔で、2025年のカヴァレリッツォだけは2着からの勝利。25頭が出走した京王杯2歳S組からは、勝ち馬が出ていません。
残る4頭は、前走が重賞ではありません。2016年のサトノアレスは500万円以下(今の1勝クラス)のベゴニア賞を勝って21日後、2021年のドウデュースはリステッドのアイビーSを勝ってからの出走でした。2020年のグレナディアガーズと2024年のアドマイヤズームは、未勝利戦を勝った次のレースが朝日杯FS。2頭とも、収得賞金400万円の1勝馬として出走しています。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | サトノアレス | 1勝クラス | 1着 |
| 2017年 | ダノンプレミアム | サウジアラビアRC | 1着 |
| 2018年 | アドマイヤマーズ | デイリー杯2歳S | 1着 |
| 2019年 | サリオス | サウジアラビアRC | 1着 |
| 2020年 | グレナディアガーズ | 未勝利 | 1着 |
| 2021年 | ドウデュース | アイビーS | 1着 |
| 2022年 | ドルチェモア | サウジアラビアRC | 1着 |
| 2023年 | ジャンタルマンタル | デイリー杯2歳S | 1着 |
| 2024年 | アドマイヤズーム | 未勝利 | 1着 |
| 2025年 | カヴァレリッツォ | デイリー杯2歳S | 2着 |
地方馬・外国馬、牝馬とせん馬
地方所属馬
地方所属馬が朝日杯FSに申し込めるのは、同じ年度の京王杯2歳Sかデイリー杯2歳Sで2着以内に入るか、中央の芝で行われる2歳重賞を勝った馬だけで、どちらも優先して出走できます。前者の条件は2017〜2026年度で変わっていません。後者が優先扱いになったのは2022年度の途中の改定からで、2017〜2021年度は勝っても申込みが認められるだけでした。
京王杯2歳S・デイリー杯2歳Sに出るにも選考があり、2026年度は中央の芝の重賞で連対したなどの実績を持つ「芝実績馬」が先に入ります。ほかは収得賞金150万円超の2歳馬が、中央の馬と同じ順番の中で届けば出られる仕組み。申込みの締切は、京王杯2歳S・デイリー杯2歳Sが10月21日、朝日杯FSが12月1日です。2026年度の規定では過去1年間に芝のGⅠを勝った地方所属馬が皐月賞などの3歳GⅠに優先して出られ、朝日杯FSの勝ち馬もこれに当たります(翌春の扱いは2027年度の番組で決まります)。
外国馬と、この10年の登録
国際競走なので外国調教馬も出られ、登録すれば地方馬や賞金順の馬より前に入ります。外国馬の特別登録は12月17日(木)の1回、登録料は10万円。2016〜2025年の出走馬決定順一覧に外国調教馬と地方所属馬の名前はなく、印が付いていたのは外国産馬(マル外)と地方からの転入馬(マル地)だけでした。
牝馬とせん馬
出走資格は牡・牝で、せん馬には門が開いていません。1991〜2003年は牡馬とせん馬のレースで、牝馬は出られませんでした。2004年に今の牡・牝の形になり、2016〜2025年は2018年のグランアレグリアと2023年のタガノエルピーダが3着に入っています。JRAは2016年のレース回顧で、4着のミスエルテが勝っていればグレード制導入後で初の牝馬の優勝だったと書いており、2017〜2025年の勝ち馬もすべて牡馬です。
よくある質問
京王杯2歳Sやデイリー杯2歳Sを勝てば、朝日杯FSに優先して出られる?
中央の馬には着順による優先はなく、勝って増えた賞金で列の上のほうに並ぶだけです。着順で枠が決まるのは地方所属馬の場合です。加わる額は「出走枠の順番」の表にまとめました。
1勝しかしていない馬でも朝日杯FSに出られる?
出られることが多いレースです。2016〜2025年に18頭立ては1回だけで、前走で新馬戦か未勝利戦を勝っただけの馬も27頭が出走しました。この組から2020年と2024年には勝ち馬も出ています。登録が多い年は、400万円の馬どうしで残りの枠を抽選で分けます。
牝馬は朝日杯FSに出られる? せん馬は?
牝馬は出られますが、せん馬は出られません。牝馬には1週前に牝馬限定の阪神JF(2026年は12月13日)があり、朝日杯FSに回る牝馬は多くありません。近年の3着内の例は「牝馬とせん馬」の項に挙げています。
地方競馬の2歳馬が朝日杯FSに出るには?
指定のステップ競走で連対するか、中央の芝の2歳重賞を勝つことが申込みの条件で、満たせば中央の馬より先に枠が回ります。ステップ競走に出るための条件と締切は、上の「地方所属馬」の項にまとめています。
- 出られるかの目安は特別登録の時点の収得賞金(正式な順番は出馬投票の前日までの成績で決まる)。18頭立ては2016〜2025年で1回だけで、2016年と2024年は400万円の馬の中に境目があった
- 前走で新馬戦か未勝利戦を勝っただけの馬も10回で27頭が出走し、3着内は6頭(22%)。2020年と2024年はこの組から勝ち馬が出た
- 「3着内はデイリー杯2歳S組が最多」と聞いたら出走頭数と並べる(2016〜2025年は25頭中8頭の32%、同じ25頭の京王杯2歳S組は4頭で16%)