マイルCSの出走条件 — スワンS・富士Sの権利と18頭の決まり方
- 18枠はレーティング上位10頭 → スワンS・富士Sの1着馬 → 外国馬 → 地方馬 → 出走馬決定賞金の順で埋まる
- 2016〜2025年で18頭立ては4回。どれも特別登録が18頭を超えた年で、2025年は特別登録22頭のうち4頭が、その時点で賞金順の圏外だった
- 2016〜2025年の3着内30頭は前走富士Sが最多の11頭(出走55頭)。権利の付かない毎日王冠組も26頭中7頭が3着内
第43回マイルCS(11月22日・京都)と前哨戦の条件
マイルCS(マイルチャンピオンシップ)は、3歳以上の馬が京都の芝1,600m外回りで争うGⅠです。2026年は第43回で、11月22日(日)に行われます。未出走馬と未勝利馬は出られませんが、性別の指定はなく、牝馬もせん馬も出走できます。負担重量は年齢と性別で決まる定量で、3歳57kg・4歳以上58kg、牝馬はそれぞれ2kg減。フルゲートは18頭です。
1984年に創設され、1998年からは前哨戦のスワンSとともに国際競走になりました。2020〜2022年の3回は京都競馬場の整備のため、阪神の芝1,600m外回りで行われています。今の57kg・58kgになったのは2023年度からで、それまでは1kgずつ軽い3歳56kg・4歳以上57kgでした。1着本賞金は2022年に1億3,000万円から1億8,000万円へ上がり、2026年も同じ額です。
| 項目 | マイルCS | MBS賞スワンS | 富士S |
|---|---|---|---|
| 2026年の日付 | 11月22日(日) | 10月12日(月・祝) | 10月17日(土) |
| コース | 京都 芝1,600m(右・外回り) | 京都 芝1,400m(右・外回り) | 東京 芝1,600m(左) |
| 格 | GⅠ | GⅡ | GⅡ |
| 出走資格 | 3歳以上(未出走・未勝利馬を除く) | 3歳以上(未出走・未勝利馬を除く) | 3歳以上(未出走・未勝利馬を除く) |
| 負担重量 | 定量 3歳57kg・4歳以上58kg(牝馬2kg減) | 別定 3歳55kg・4歳以上57kg(牝馬2kg減)に加増あり | 別定 3歳55kg・4歳以上57kg(牝馬2kg減)に加増あり |
| フルゲート | 18頭 | 18頭 | 18頭 |
| 1着本賞金 | 1億8,000万円 | 5,900万円 | 5,900万円 |
| マイルCSの優先出走権 | ― | 1着(地方所属馬は2着以内) | 1着(地方所属馬は2着以内) |
18頭の枠が埋まる順番
出馬投票の申込みが18頭以内なら、申し込んだ馬はすべて出走できます。超えたときだけ、下の表の①から順に枠が割り当てられます。①のレーティング枠は2026年度から10頭になり、2025年までの5頭の倍に広がりました。②の権利は同じ年度のスワンSと富士Sの1着馬のもので、翌年には持ち越せません。
権利を持たない馬の並べ方
最後の⑤は、まずクラスで分け、オープン馬を全頭並べてから3勝クラス以下の馬を続けます。同じクラスの中は出走馬決定賞金の順です。収得賞金に、直近およそ1年に積んだ収得賞金の算入額(地方・海外の分を含む)と、直近およそ2年のGⅠで積んだ額を足した金額で比べます。2021年の決定順一覧では、収得賞金1,500万円のサウンドカナロア(3勝クラス)が、オープン馬17頭の下に1行空けて載っていました。登録が18頭ちょうどの年だったので、その位置でも圏内です。
レーティングの順位の付き方
2025年の上位5頭は、ソウルラッシュ(121)、ジャンタルマンタル(120)、チェルヴィニア(115・牝)、ガイアフォース(117)、アスコリピチェーノ(112・牝)の順でした。牝馬は4ポンドを加えて比べるため、115のチェルヴィニアが117のガイアフォースより上に来ます。順位の発表は第1回特別登録の翌日で、2025年は11月9日の登録に対して10日でした。
| 順番 | 枠に入る馬 | 2026年の中身 |
|---|---|---|
| ① | レーティング上位10頭 | 出馬投票した馬の中で上位10頭。110以上(牝馬は106以上)に限る |
| ② | 優先出走権を持つ馬 | スワンS(10月12日)・富士S(10月17日)の1着馬 |
| ③ | 外国馬 | 国際競走のため優先。特別登録は11月19日(木)の1回だけ |
| ④ | 地方所属馬 | スワンS・富士Sの2着以内、または過去約1年に中央・外国の芝G1で1着の馬 |
| ⑤ | それ以外の馬 | オープン馬を先に、出走馬決定賞金の多い順。同額は抽選 |
18頭がそろったのは10回中4回 — 登録頭数で決まる境目
2016〜2025年の10回で18頭立てになったのは、2016・2017・2018・2025年の4回です。JRAの出走馬決定順一覧を見ると、特別登録の段階で18頭を超えていたのもこの4年だけで、ほかの6回は登録そのものが18頭以下でした。賞金順の境目が問題になるかどうかは、ほぼ登録頭数で決まってきたことになります。
境目の賞金額は年によって違います。2017年は中央の馬22頭が登録しました。特別登録の時点では、賞金順16番目のヤングマンパワー(6,025万円)までが圏内で、ガリバルディ(5,800万円)から下の4頭が圏外でした。ところが上位のネオリアリズム、ディサイファ、メラグラーナが出走しなかったため、ガリバルディ、ムーンクレスト、クルーガーの3頭が繰り上がって本番に出ています。2018年は20頭の登録で、レッドアヴァンセ(5,300万円)までが入り、ベステンダンク(4,650万円)とグァンチャーレ(2,025万円)が外れました。
2025年は中央の馬21頭と外国馬のドックランズが登録し、特別登録の時点で4頭があふれていました。権利を持つオフトレイル・ガイアフォースと外国馬を先に数えると賞金順の枠は15で、15番目のワイドラトゥール(8,700万円)まで。シャンパンカラー(7,400万円)、タイムトゥヘヴン(5,100万円)、ランスオブカオス(4,900万円)、ニホンピロキーフ(2,400万円)が圏外でした。どれも特別登録の時点の並びです。実際にはエコロヴァルツが出走せず、シャンパンカラーが繰り上がって出走しました。
10頭制を2025年の登録に当てはめると
2025年のレーティングの対象は19頭で、上位10頭はすべて、権利を持つか賞金順で圏内にいた馬でした。10頭制だったとしても、出走馬の顔ぶれは変わらない計算です。
スワンS・富士Sにはどうすれば出られるか
2つの前哨戦は、どちらも3歳以上の別定GⅡで、国際・指定競走です。申込みが18頭を超えると、外国馬と、芝の実績で選ばれた地方所属馬(芝実績馬)を先に入れ、残りはクラスの上の馬から、同じクラスの中は出走馬決定賞金の順で選びます。3歳以上の重賞なので、前走の着順や出走間隔による優先はありません。未出走馬と未勝利馬は申し込めない条件です。
オープンに上がっていない3勝クラスの馬も申し込め、その場合はオープン馬がすべて入ったあとの順番になります。当サイトの集計では、前走が3勝クラスだった出走馬が、2016〜2025年のスワンSで170頭中14頭、富士Sで149頭中8頭いました(前走を勝ってオープンに上がった馬と格上挑戦の馬を分けずに数えています)。18頭立てになったのは、スワンSが10回中7回、富士Sは2018・2019年の2回です。
本番までの間隔が広がった2025年
2024年まではスワンSが10月下旬の土曜でマイルCSの3週前、富士Sはおよそ4週前でした。2025年にスワンSは10月中旬の月曜祝日へ移り、2026年は10月12日で本番まで約6週。富士Sは10月17日で、本番の5週前です。
富士SのGⅡ昇格(2020年)
富士Sは2020年にGⅢからGⅡへ上がりました。JRAの説明は、マイルCSの前哨戦としての位置付けを明確にするため。1着本賞金は2019年の4,100万円に対し、2026年は5,900万円です。
| 前哨戦 | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| スワンS | 平均17.0頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞67%・OP24%・条件戦8%・地方/海外1% |
| 富士S | 平均14.9頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞75%・OP15%・条件戦5%・地方/海外4% |
権利を取った20頭のうち、使ったのは14頭
スワンSと富士Sの1着馬は、2016〜2025年に延べ20頭いました。マイルCSの特別登録に「G1等優先」として載ったのはそのうち14頭で、当サイト集計の権利組の出走馬14頭と数が合います。登録しなかった6頭は、スワンSの勝ち馬が4頭(2021年ダノンファンタジー、2022年ダイアトニック、2023年ウイングレイテスト、2024年ダノンマッキンリー)、富士Sの勝ち馬が2頭(2019年ノームコア、2021年ソングライン)。2021年は2頭とも登録せず、権利を使った馬がいません。
本番では、富士Sの勝ち馬8頭のうち4頭が3着内に入りました(2017年2着エアスピネル、2022年1着セリフォス、2023年1着ナミュール、2025年2着ガイアフォース)。スワンSの勝ち馬6頭で3着内は、2017年3着のサングレーザーだけです。1着を逃して本番に出てきた馬は富士S組47頭、スワンS組24頭で、3着内はそれぞれ7頭と1頭(2020年3着のアドマイヤマーズ)でした。
| 前哨戦・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| スワンS・1着 | 30(6) | 2(1) |
| 富士S・1着 | 55(8) | 11(4) |
【データ】出走馬172頭と3着内30頭の前走
ここからは当サイトの集計で、2016〜2025年の10回が対象です。3着内30頭の前走は、前哨戦以外のGⅡ・GⅢが10頭、前哨戦で1着を逃した馬が8頭、前走GⅠ級が7頭、前哨戦を勝って権利を持っていた馬が5頭でした。
出走馬172頭で見ると、前哨戦から来た馬が85頭とほぼ半分を占め、そのうち71頭は権利を持っていません。ルート別の3着内率は、権利組が14頭中5頭の36%、前走GⅠ級が32頭中7頭の22%、その他のGⅡ・GⅢが47頭中10頭の21%、権利なしの前哨戦組が71頭中8頭の11%。出走馬全体の172頭中30頭(17%)より権利組の率は高いものの、母数が14頭なので1頭の違いで7ポイントほど動きます。リステッド・オープン特別から来た7頭は、3着内に入っていません。
毎日王冠からは、権利なしで3着内7頭
前走のレース名で数えると、3着内は富士S組の11頭(出走55頭)が最多で、毎日王冠組の7頭(出走26頭、27%)が続きます。毎日王冠にはマイルCSの権利が付かず、JRAのG1ページが挙げる主なステップレース7つ(安田記念、しらさぎS、関屋記念、中京記念、京成杯AH、スワンS、富士S)にも入っていません。スワンS組は30頭中2頭、スプリンターズS組は10頭中3頭、天皇賞(秋)組は9頭中3頭が3着内でした。
- 前哨戦で優先出走権を取ったスワンS1着・富士S1着5頭17%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走8頭27%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む7頭23%
- その他の重賞から10頭33%
- 前哨戦で優先出走権を取ったスワンS1着・富士S1着14頭8%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走71頭41%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む32頭19%
- その他の重賞から47頭27%
- リステッド・オープン特別から7頭4%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利1頭1%
勝ち馬10頭の前走 — 2022年から4年続けて富士S組
10回の勝ち馬のうち5頭は富士Sからで、2022〜2025年は4年続けて富士S組が勝っています。権利を持っていたのは2022年のセリフォスと2023年のナミュールです。2017年のペルシアンナイトは富士S5着、2024年のソウルラッシュと2025年のジャンタルマンタルは富士S2着と、3頭は1着を逃してから本番を制しました。
残る5頭は、毎日王冠から2頭(2018年ステルヴィオ、2019年インディチャンプ)、スプリンターズSから2頭(2016年ミッキーアイル、2020年グランアレグリア)、天皇賞(秋)から1頭(2021年グランアレグリア)。スワンSを前走にした勝ち馬はいません。前走からの間隔は、富士S組が29日か36日、毎日王冠組が42日、スプリンターズS組が49日で、天皇賞(秋)から向かった2021年は21日でした。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | ミッキーアイル | スプリンターズS | 2着 |
| 2017年 | ペルシアンナイト | 富士S | 5着 |
| 2018年 | ステルヴィオ | 毎日王冠 | 2着 |
| 2019年 | インディチャンプ | 毎日王冠 | 3着 |
| 2020年 | グランアレグリア | スプリンターズS | 1着 |
| 2021年 | グランアレグリア | 天皇賞(秋) | 3着 |
| 2022年 | セリフォス | 富士S | 1着 |
| 2023年 | ナミュール | 富士S | 1着 |
| 2024年 | ソウルラッシュ | 富士S | 2着 |
| 2025年 | ジャンタルマンタル | 富士S | 2着 |
地方所属馬と外国馬、登録から出馬投票まで
地方所属馬
地方に所属したままマイルCSで優先されるのは、スワンSか富士Sで2着以内の馬と、おおむね過去1年に、中央か外国の芝のG1を勝った馬です。同じ芝GⅠ・G1で2着の馬は、申し込めるだけで優先はされません。2021年度まではスプリンターズSと天皇賞(秋)の2着以内も地方馬のステップでしたが、2022年度から前哨戦の2つに絞られ、芝G1の勝ち馬が加わりました。
前哨戦に申し込めるのは、芝の中央重賞で2着以内などの成績を持つ「芝実績馬」と、収得賞金が1,600万円を超える馬です。芝実績馬は優先され、後者は中央の馬と同じ基準で選ばれます。使えるステップは1つのGⅠにつき1レースまでで、スワンSと富士Sの両方には出られません。2016〜2025年の決定順一覧に、地方所属のまま登録した馬はいませんでした。
外国馬とせん馬
外国調教馬には、賞金順の馬より先に枠が回ります。2016〜2025年の決定順一覧に外国馬として載ったのは、2016年のスペクトゥル、2024年のチャリン、2025年のドックランズの3頭。ファン投票や招待の仕組みはなく、せん馬も出走できて、斤量は牡馬と同じです。
2026年の登録と投票
中央の馬と地方所属馬は、11月8日(日)の第1回特別登録(6万円)と11月19日(木)の第2回特別登録(24万円)を経て、同じ19日の12時〜14時に出馬投票をします。外国馬の特別登録は19日の1回で30万円です。地方所属馬は、これとは別に、マイルCSへの出走申込みを11月3日までに済ませておく必要があります(スワンS・富士Sへの申込みは9月23日締切)。
よくある質問
マイルCSは何頭まで出られる?
最大18頭です。2016〜2025年の10回は、16頭立てが2回、17頭立てが4回、18頭立てが4回でした。登録頭数との関係は「18頭がそろったのは10回中4回」の節にまとめています。
富士Sで2着だった馬は、マイルCSに優先して出られる?
JRA所属の馬には優先出走権は付きません。重賞の2着で収得賞金が加算されるので、その賞金で18頭の中に入れば出走できます。富士S2着から本番を制した例は、2024年と2025年に続けてありました。地方所属の馬なら、2着でも優先の対象です。
毎日王冠やスプリンターズSから直接向かえる?
向かえます。権利の付かないレースから来る馬は、レーティング上位10頭に入るか、出走馬決定賞金の順で18頭に収まれば出走できます。2016〜2025年に毎日王冠から出た26頭も、この形で枠に入っています。
- スワンS・富士Sを勝たなくても本番には出られる。2016〜2025年に前哨戦から来た出走馬85頭のうち71頭は権利なし
- 18頭立てになるかは、登録頭数でほぼ決まってきた。11月8日の第1回特別登録で18頭を超えたかを確かめ、圏外の馬は上位の回避で繰り上がる余地も見る
- 「3着内は○○組が多い」と見たら出走頭数と並べる(富士S組は55頭中11頭、毎日王冠組は26頭中7頭)