桜花賞の出走条件 — チューリップ賞・FR3着、アネモネS2着と芝の賞金
- 出走枠はチューリップ賞・フィリーズレビューの3着以内とアネモネSの2着以内(通常は計8頭)が先で、残りは芝の収得賞金の順
- 2025年から、ダートや新馬戦・未勝利戦の勝ちで得た賞金は本番の賞金順に数えない。トライアルは通算の賞金順で、未勝利馬も出られる
- 2016〜2025年の出走馬178頭のうち権利組は78頭で、3着内率は17%と全体と同じ。前走G1だった13頭は7頭が3着内
桜花賞の基本条件(2026年)
2026年の桜花賞(第86回)は4月12日(日)、阪神競馬場の11レースとして15時40分に発走しました。コースは芝1,600mの右回り・外回り。出走資格は3歳の牝馬で、未出走馬・未勝利馬は出られません。未勝利のままトライアルに出た馬は、2着以内(アネモネSは1着)に入ると収得賞金が加わり、権利と出走資格の両方がそろいます。負担重量は全馬55kgの馬齢重量、フルゲートは18頭で、1着の本賞金は1億4,000万円です。
外国調教馬も地方所属馬も出走でき、区分は国際競走・指定競走です。1939年に中山の1,800mで「中山四歳牝馬特別」の名で創設され、1947年に今の名前になりました。1950年からは阪神で行われ(1991年と1995年は京都で開催)、2007年に外回りコースへ移りました。国際競走になったのは2010年からです。
出走枠が埋まる順番
18の枠は、①トライアルで優先出走権を取った馬、②外国調教馬、③地方所属馬、④芝で積んだ収得賞金の多い馬、の順に埋まります。①は全員がそろえば通常8頭ですが、権利を取っても登録しない馬がいるため、2016〜2026年の出走馬決定順一覧では毎年6〜8頭でした。2026年は、チューリップ賞を勝ったタイセイボーグと、フィリーズレビューを勝ったギリーズボールが特別登録をしていません。
②と③は規定の上の枠で、2016〜2026年の特別登録には外国調教馬も地方所属馬も見当たりません。実際には、権利組のすぐ後ろから賞金順の争いが始まっています。
④の数え方は2025年に変わりました。対象になるのは、芝で行う中央のオープン競走・1勝クラス競走と、芝で行うパートⅠの外国の競走で得た収得賞金だけ。ダートで得た分も、新馬戦・未勝利戦の1着で得た400万円も入らないため、JRAの一覧の「出走馬決定賞金」の欄では、多くの馬が通算の収得賞金より400万円少なく載っています。2024年までは通算の収得賞金で並べていました。
2026年のルールザウェイヴは、新馬戦を勝ったあとアネモネSで2着に入った馬です。通算の収得賞金は400万円でも出走馬決定賞金は0円で、アネモネSの2着で得た優先出走権を使って本番に出ました。枠の境目で同じ額の馬が並んだときは、抽選で決まります。
| 順番 | 枠に入る馬 | 桜花賞での中身(2026年度) |
|---|---|---|
| ① | 優先出走権を持つ馬 | チューリップ賞・フィリーズレビューの3着以内、アネモネSの2着以内。未出走・未勝利の馬はそれぞれ2着以内、1着 |
| ② | 外国調教馬 | 国際競走のため、芝の賞金順の馬より前に入る |
| ③ | 地方所属馬 | トライアルでJRA所属馬と同じ着順、中央の3歳芝重賞の1着、過去約1年の芝G1・指定の外国G1の1着 |
| ④ | 芝の収得賞金が多い馬 | 芝で行う中央のオープン・1勝クラスと、芝で行うパートⅠの外国競走の分だけで比べる。同額の境目は抽選 |
賞金順の境目 — 特別登録で18番目だった馬
2016〜2026年の桜花賞には、特別登録の段階で毎年19〜28頭が名を連ねています。優先出走権の馬の後ろに残りの馬を賞金の順に並べ、一覧全体で18番目に来た馬の額が、その年の境目です。2016〜2025年は毎年18頭の出走馬が決まりました。2017年はサロニカ、2018年はアマルフィコーストが出走を取り消したため、この2年だけ実際に走ったのは17頭です。
特別登録の締切時点で18番目にいた馬の賞金は、2016年と2017年が900万円、2018年1,100万円、2019年1,600万円、2020年1,100万円、2021年1,000万円、2022年400万円、2023年1,750万円、2024年1,000万円。2025年は800万円、2026年は500万円で、この2年は芝のオープン・1勝クラスの分だけで数えた出走馬決定賞金のため、それより前の年とは並べて比べられません。
同じ額の馬が境目に固まった年もあります。2016年は900万円の8頭で残り4枠、2022年は400万円(新馬戦か未勝利戦の1勝だけ)の6頭で残り2枠という並びで、2022年はそのうちパーソナルハイとカフジテトラゴンが本番に出ています。一覧は特別登録の締切日時点のもので、出馬投票の段階で抽選があったかまでは読み取れません。
境目より上の馬が回避すると、19番目以下の馬に順番が回ってきます。2023年は2,000万円のリバーラが出ず、19番目のシンリョクカ(1,700万円)が18頭に入りました。2026年も1,350万円のビッグカレンルーフが出なかったので、19番目で出走馬決定賞金0円のエレガンスアスクが出走しています。2025年に18番目の800万円で滑り込んだリンクスティップは、本番で3着でした。
賞金順で出て勝った馬では、2018年のアーモンドアイが一覧の9番目、2019年のグランアレグリアと2024年のステレンボッシュが12番目、2022年のスターズオンアースが13番目、2020年のデアリングタクトが16番目でした。
3つのトライアルの条件(2026年)
桜花賞トライアルは、チューリップ賞・フィリーズレビュー・アネモネSの3レースです。2026年は3月1日から14日まで3週続けて行われ、どれも3歳牝馬による馬齢重量(55kg)の国際・指定競走でした。
チューリップ賞は本番と同じ阪神の芝1,600m外回りで行われ、2018年にGⅢからGⅡへ格上げされています。フィリーズレビューは同じ阪神の芝1,400mで、1967年に「阪神4歳牝馬特別」の名で始まったレースです。アネモネSは中山の芝1,600m外回りのリステッド競走で、フルゲートはほかの2つより2頭少ない16頭です。リステッドの格付けは2019年から付きました。
2026年に実際に走ったのは、チューリップ賞が15頭、フィリーズレビューが18頭、アネモネSが16頭です。
| トライアル | 2026年の日程 | コース | 格 | フルゲート | 桜花賞の優先出走権 |
|---|---|---|---|---|---|
| チューリップ賞 | 3月1日(日)阪神 | 芝1,600m・外回り | GⅡ | 18頭 | 3着以内(未出走・未勝利の馬は2着以内) |
| フィリーズレビュー | 3月7日(土)阪神 | 芝1,400m | GⅡ | 18頭 | 3着以内(未出走・未勝利の馬は2着以内) |
| アネモネS | 3月14日(土)中山 | 芝1,600m・外回り | L | 16頭 | 2着以内(未出走・未勝利の馬は1着) |
トライアルの出走馬はどう決まるか
トライアルは本番と違い、未勝利馬も出られます。3歳のオープン競走は原則として未出走馬・未勝利馬を受け付けませんが、2026年の1回阪神・2回中山の番組が、この3レースをその例外に挙げています。
頭数があふれたときの並べ方も本番とは別です。3レースとも2・3歳のオープン競走として、ダートや新馬戦・未勝利戦の分まで含めた通算の収得賞金が多い順に選ばれ、同じ額なら抽選です(重賞ではないアネモネSには、ほかのレースで除外された馬の優先出走が先に入る場合があります)。収得賞金のない未勝利馬はいちばん後ろに回ります。
フルゲートに届きやすいのはフィリーズレビューで、2016〜2025年の10回のうち8回が18頭立てでした。チューリップ賞は多い年でも17頭で、この10年は18頭に届いていません。アネモネSが16頭立てになったのは4回です。
出走馬の前走が条件戦(新馬・未勝利・1勝クラスなど)だった割合は、チューリップ賞47%、フィリーズレビュー49%とおよそ半分で、アネモネSは68%と高くなっています。2016〜2025年のアネモネSの出走馬142頭のうち40頭(28%)は、前走が新馬戦か未勝利戦でした。
地方所属馬は、過去約1年の芝の成績で選ばれる「芝実績馬」ならトライアルに優先して出られます。それ以外は、3歳で収得賞金500万円超の馬が中央の馬と同じ並べ方で争います。
| トライアル | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| チューリップ賞 | 平均13.9頭(2016〜2025年の10回・最多17頭) | 重賞32%・OP21%・条件戦47% |
| フィリーズレビュー | 平均17.3頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞31%・OP18%・条件戦49%・地方/海外2% |
| アネモネS | 平均14.2頭(2016〜2025年の10回・最多16頭) | 重賞21%・OP9%・条件戦68%・地方/海外1% |
過去10年の出走馬178頭と3着内30頭の前走
2016〜2025年の桜花賞に出た178頭のうち、トライアルで優先出走権を取って出てきた馬(権利組)は78頭で、そのうち13頭が3着内に入りました。3着内率は17%で、出走馬全体の率(178頭中30頭、17%)と変わりません。
3着内30頭の内訳だけを見ると、権利組は13頭(43%)でいちばん大きな塊です。とはいえ同じ10年の出走馬178頭でも権利組は78頭(44%)を占めていて、出てくる頭数に見合った数が3着内に来ている形になります。
率が高いのは前走がG1だった馬で、2016〜2025年の13頭のうち7頭(54%)が3着内でした。13頭のうち11頭は阪神JFから直行した馬で、その中の6頭が3着内です。母数が小さいので、1頭の違いで率は大きく動きます。反対に、トライアルで権利の着順に届かず賞金で出てきた33頭は、3着内が2頭(6%)。2020年3着のスマイルカナ(チューリップ賞7着)と、2022年2着のウォーターナビレラ(同5着)です。
トライアル別では、チューリップ賞から来た47頭のうち12頭(26%)が3着内に入ったのに対し、フィリーズレビューの44頭は3頭(7%)、アネモネSの20頭は0頭でした。本番と同じ阪神1,600mか、200m短い1,400mかというコースの違いとの関係までは、この集計からは言えません。
- トライアルで優先出走権を取ったチューリップ賞3着以内・フィリーズレビュー3着以内・アネモネS2着以内78頭44%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走33頭18%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む13頭7%
- その他の重賞から41頭23%
- リステッド・オープン特別から10頭6%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利3頭2%
- トライアルで優先出走権を取ったチューリップ賞3着以内・フィリーズレビュー3着以内・アネモネS2着以内13頭43%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走2頭7%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む7頭23%
- その他の重賞から6頭20%
- リステッド・オープン特別から2頭7%
| トライアル・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| チューリップ賞・3着以内 | 47(30) | 12(10) |
| フィリーズレビュー・3着以内 | 44(30) | 3(3) |
| アネモネS・2着以内 | 20(18) | 0(0) |
勝ち馬の前走 — 2018年以降はトライアル以外から
2016〜2025年の勝ち馬10頭のうち、トライアルを経由したのは2016年のジュエラー(チューリップ賞2着)と2017年のレーヌミノル(フィリーズレビュー2着)の2頭です。2018年からの8頭は、前走が阪神JFだった馬が3頭、クイーンCが2頭、朝日杯FS・シンザン記念・エルフィンSが1頭ずつでした。
トライアルを使わなかった勝ち馬は本番までの間隔が長く、阪神JFから来たソダシ・リバティアイランド・ステレンボッシュはいずれも119日、朝日杯FSからのグランアレグリアは112日空いていました。2026年も前年の阪神JFを勝ったスターアニスが直行で1着です。
2018年以降の勝ち馬だけを追うと、トライアルは勝ち馬を出していない道に見えます。2016〜2025年の2着と3着の20頭まで広げると、そのうち11頭は権利組でした。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | ジュエラー | チューリップ賞 | 2着 |
| 2017年 | レーヌミノル | フィリーズレビュー | 2着 |
| 2018年 | アーモンドアイ | シンザン記念 | 1着 |
| 2019年 | グランアレグリア | 朝日杯FS | 3着 |
| 2020年 | デアリングタクト | エルフィンS | 1着 |
| 2021年 | ソダシ | 阪神JF | 1着 |
| 2022年 | スターズオンアース | クイーンC | 2着 |
| 2023年 | リバティアイランド | 阪神JF | 1着 |
| 2024年 | ステレンボッシュ | 阪神JF | 2着 |
| 2025年 | エンブロイダリー | クイーンC | 1着 |
地方馬・外国馬と登録の手続き
地方所属馬
地方所属馬が桜花賞で優先されるのは、トライアルでJRA所属馬と同じ着順に入った場合、中央の3歳芝重賞を勝った場合、過去約1年の芝G1または指定された外国G1を勝った場合です。芝G1・外国G1で2着だった馬は、優先ではなく出走の申し込みだけが認められます。2026年度の申込締切は、桜花賞が3月24日、ステップ競走が2月11日でした。
外国産馬と地方からの転入馬
外国産馬は2004年から出走できるようになりました。2016〜2026年の出走馬決定順一覧では、外国産馬(マル外)が2018・2021年に1頭ずつと2024年に2頭、地方から転入した馬(マル地)が2026年のビッグカレンルーフ1頭でした。
クラシック登録と追加登録
2026年はショウナンカリスが、第3回の締切と同じ3月29日に200万円の追加登録料を払って出走しました。桜花賞は3歳馬5大特別競走の1つで、前の年の秋から段階を踏んで特別登録をしておくのが通常の道です。各段階の締切と登録料は下の表のとおりで、出馬投票は4月9日(木)の12時から14時まででした。
| 段階 | 2026年桜花賞の締切 | 登録料 |
|---|---|---|
| 第1回 | 2025年10月24日 | 1万円 |
| 第2回 | 2026年1月23日 | 3万円 |
| 第3回 | 2026年3月29日 | 36万円 |
| 追加登録 | 2026年3月29日 | 200万円 |
よくある質問
チューリップ賞で4着以下だと、桜花賞には出られない?
優先出走権は付きませんが、出走の道は残ります。権利組の次に芝の収得賞金の順で枠が埋まるので、その額が境目より上なら出られます。2016〜2025年の10回で、トライアルの権利着順に届かないまま本番へ進んだ馬は33頭いました。
未勝利の馬が桜花賞に出る方法はある?
あります。トライアルは未勝利馬も出走でき、チューリップ賞かフィリーズレビューで2着以内、アネモネSで1着に入れば、桜花賞の優先出走権が付きます。その着順なら収得賞金も加わって未勝利馬ではなくなるため、出走資格も同時にそろいます。未勝利戦を勝っただけの400万円は、本番の賞金順には数えられません。
桜花賞は毎年18頭そろう?
毎年18頭の出走馬が決まっています。2017年と2018年の17頭立ては、出走馬が決まったあとに1頭が出走を取り消したためです。2026年も18頭で行われました。
阪神JFを勝った馬は、トライアルを使わなくても出られる?
阪神JFの勝ちに優先出走権は付きませんが、芝G1の1着で芝の収得賞金が大きく増えるので、賞金順の上位に入りやすくなります。2026年のスターアニスは特別登録時点で賞金順の1位(3,850万円)で、直行して勝ちました。
- 桜花賞は権利組の次がすぐ賞金順。特別登録での18番目の額は、通算の収得賞金で数えた2016〜2024年で400万〜1,750万円と幅があった
- 2018〜2025年の勝ち馬8頭はどれもトライアルを使わずに本番へ来た。阪神JFから直行した3頭は、本番まで119日空けていた
- 3着内で最も多いチューリップ賞組は、出走馬の数でも最多。3着内の内訳はルート別の3着内率と並べて読む