皐月賞の出走条件 — 弥生賞・スプリングS・若葉Sの権利と賞金順
- 出走枠は優先出走権 → 外国馬 → 地方馬 → 芝の収得賞金の順。権利は弥生賞・スプリングSの3着以内、若葉Sの2着以内
- 賞金順は2025年から、中央の芝のOP・1勝クラスとパートⅠ国の芝の競走で得た分だけで数える。新馬・未勝利を勝った400万円とダートの賞金は入らない
- 過去10年の3着内30頭のうち権利組は9頭。権利組の3着内率14%は出走馬全体の17%を下回り、共同通信杯組は22頭中9頭
皐月賞の基本(2026年)
2026年の皐月賞(第86回)は4月19日(日)、3回中山の第8日に行われました。舞台は芝2,000mの右回り内回りで、出走できるのは牡馬と牝馬の3歳。未出走馬と未勝利馬は出られません。負担重量は馬齢重量の牡馬57kg・牝馬55kg、フルゲートは18頭、1着の本賞金は2億円です。
2025年からは開催の最後の2日がCコースになり、第8日の皐月賞もCコースで行われています(2017〜2024年はBコース)。重量の数字も2016年から57kg・55kgで動いておらず、2024年度に扱いが競走ごとの指定から馬齢重量に切り替わりました。
前身は1939年に横浜競馬場で始まった競走で、1949年に中山へ移って皐月賞の名になり、翌1950年から2,000mで行われています。出走するには第1回から第3回までの特別登録を済ませるか、第1・2回を済ませていない馬は第3回の締切日に追加登録(200万円)をする必要があり、2026年の締切は下の表のとおりでした。
| 手続き | 2026年の締切 | 登録料 |
|---|---|---|
| 第1回特別登録 | 2025年10月24日 | 1万円 |
| 第2回特別登録 | 2026年1月23日 | 3万円 |
| 第3回特別登録 | 2026年4月5日 | 36万円 |
| 追加登録 | 2026年4月5日 | 200万円 |
| 出馬投票 | 2026年4月16日 12:00〜14:00 | — |
出走枠が埋まる順番
皐月賞の18頭は、出馬投票をした馬を次の順に並べて決まります。先頭は、弥生賞・スプリングSの3着以内、若葉Sの2着以内に入ったJRA所属の優先出走権の馬。外国調教馬、地方所属馬がその後に続き、残った枠は芝の収得賞金の多い順で埋まります。枠の境目に同じ額の馬が並べば抽選です。
2026年の特別登録(4月5日)には21頭が名を連ね、優先出走権を持つ馬は7頭でした。JRAの一覧で残る11枠の最後に入ったのは800万円のサウンドムーブで、12番手のサノノグレーター(500万円)は圏外。その後、圏内にいたアスクイキゴミが出走しなかったため、サノノグレーターが繰り上がっています。勝ったロブチェンは権利を持たない馬で、賞金順では優先馬を除いて3番手にいました。
2016〜2025年の10回で18頭立てになったのは7回です。2018年と2021年は16頭、2024年は17頭でした。2018年と2021年は特別登録の頭数が18頭以下で、2024年は18頭で出走が決まった後、ダノンデサイルが発走直前に競走除外となっています。2017・2023・2024年は繰り上がりがなく、特別登録の時点で圏外だった馬はそのまま出走できませんでした。
| 順番 | 入る馬(2026年の皐月賞) |
|---|---|
| ① | JRA所属馬で、弥生賞・スプリングSの3着以内、若葉Sの2着以内に入った馬(優先出走権。一覧の表示は「GⅠ等優先」) |
| ② | 外国調教馬 |
| ③ | 地方所属馬(トライアルの着順、中央の3歳芝重賞の1着、芝G1の1着など) |
| ④ | 芝の収得賞金の多い順。同じ額で境目に並べば抽選、18頭で締め切り |
芝の収得賞金の数え方と、枠の境目
賞金順の物差しは、2025年から中央の芝で行うオープン競走・1勝クラス競走と、パートⅠ国の芝の競走で得た収得賞金に限られています。新馬戦・未勝利戦の勝利で加算された400万円は入らず、ダートや地方で得た賞金も数えません。JRAは2022年11月にこの変更を予告し、芝で実績を残した馬が出やすくするためと説明していました。
2025年と2026年の出走馬決定順一覧では、どの馬も出走馬決定賞金が通算の収得賞金より400万円少なく、新馬戦か未勝利戦で挙げた1勝分がそのまま差になっています。2026年に優先出走権を持っていたアクロフェイズとロードフィレールは、通算400万円に対して出走馬決定賞金が0円でした。
特別登録の時点で賞金順の最後に入った額は、1,000万〜1,200万円前後になった年が目立ちます(900万円の馬は2017・2023年は圏外で、2019年は繰り上がって出走)。2017年と2024年は1,200万円、2019年は1,150万円、2023年は1,000万円までが圏内でした。2016・2020・2022年は400万円の馬どうしで最後の枠を争う形になり、2020年は上位の馬が1頭出走しなかったため、400万円の3頭がそろって出走しています。
2025年は、最後の1枠に1,200万円のジュタとジーティーアダマンが並んでいました。優先出走権を持つローランドバローズが出走しなかったので、2頭とも本番に出ています。2024年までは通算の収得賞金、2025年からは芝の賞金で並べているため、年をまたいで境目の額を比べるときは物差しの違いに気をつけてください。
トライアル3レースの条件(2026年)
皐月賞の優先出走権が付くのは、中山の弥生賞・スプリングSと阪神の若葉Sです。本番と違い、3レースとも未出走馬・未勝利馬も出走できます。出走馬は芝とダートを合わせた通算の収得賞金の多い順に選ばれ、新馬戦の400万円もダートで積んだ賞金も数に入ります。国際競走なので外国調教馬は優先され、未出走・未勝利の馬は賞金が0のため順番の最後です。
3歳の3月は収得賞金が500万円を超えるとオープン馬の扱いで、新馬戦を1つ勝っただけの馬は1勝クラスのまま格上のトライアルに挑む形です。2歳・3歳のオープン競走はクラスで区切らず賞金の額だけで並べるので、格上挑戦の馬が別枠で後回しにされることはありません。
未勝利のまま出た馬が本番へ進むには、弥生賞・スプリングSなら2着以内、若葉Sなら1着が要ります。重賞の2着で本賞金の半額(弥生賞は1,100万円)が、3歳リステッドの1着で1,200万円が収得賞金に加わり、そこで未勝利馬ではなくなるからです。弥生賞の3着や若葉Sの2着では賞金が増えないため、未勝利馬のまま皐月賞の資格を満たせません。
皐月賞までの間隔は、弥生賞が6週、若葉Sが29日。スプリングSは2025年に1週早まって5週になり、JRAはG1との間隔を広げるためと説明しています。
| 項目 | 弥生賞 | スプリングS | 若葉S |
|---|---|---|---|
| 2026年の日付 | 3月8日(日) | 3月15日(日) | 3月21日(土) |
| コース | 中山 芝2,000m(内回り) | 中山 芝1,800m(内回り) | 阪神 芝2,000m(内回り) |
| 格 | G2 | G2 | リステッド(L) |
| 出走資格 | 3歳(性別の制限なし) | 牡・牝の3歳 | 3歳(性別の制限なし) |
| 未出走・未勝利の馬 | 出走できる | 出走できる | 出走できる |
| 負担重量 | 馬齢重量(牡・せん57kg、牝55kg) | 馬齢重量(牡57kg、牝55kg) | 馬齢重量(牡・せん57kg、牝55kg) |
| フルゲート | 18頭 | 16頭 | 16頭 |
| 皐月賞の優先出走権 | 3着以内(未勝利馬は2着以内) | 3着以内(未勝利馬は2着以内) | 2着以内(未勝利馬は1着) |
| 1着の本賞金 | 5,400万円 | 5,400万円 | 2,100万円 |
トライアルにはどんな馬が出ているか
3つのトライアルは、フルゲートまで埋まる年がほとんどありません。2016〜2025年の弥生賞は平均11.1頭で、最も多い年でも14頭でした。若葉Sも最多12頭で16頭に届かず、スプリングSが16頭立てになったのは2019年と2023年の2回です。
2016〜2025年の出走馬のうち、前走が条件戦だった馬は弥生賞111頭中56頭(50%)、スプリングS127頭中75頭(59%)、若葉S101頭中63頭(62%)です。若葉Sでは、前走が1勝クラスの馬が35頭、未勝利戦の馬が20頭いました。弥生賞には、デビュー2戦目(前走が新馬戦)で臨んだ馬も10年で9頭出走しています。
| トライアル | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| 弥生賞 | 平均11.1頭(2016〜2025年の10回・最多14頭) | 重賞39%・OP9%・条件戦50%・地方/海外1% |
| スプリングS | 平均12.7頭(2016〜2025年の10回・最多16頭) | 重賞35%・OP5%・条件戦59%・地方/海外2% |
| 若葉S | 平均10.1頭(2016〜2025年の10回・最多12頭) | 重賞20%・OP16%・条件戦62%・地方/海外2% |
過去10年、3着内馬はどこから来たか
2016〜2025年の皐月賞で3着内に入った30頭のうち、前走のトライアルで優先出走権を取っていた馬は9頭でした。いちばん多いのは権利の付かない重賞から来た馬で、15頭います。レース別では共同通信杯組の9頭が最多で、弥生賞組の8頭が続きます。
175頭のうち64頭(37%)が権利組で、出走馬の中では最大の集団ですが、3着内率は64頭中9頭の14%で、出走馬全体の17%(175頭中30頭)を下回りました。権利の付かない重賞から来た馬は51頭中15頭(29%)、前走がG1級だった馬は10頭中4頭(40%)です。
前走のレースごとに見ると、共同通信杯から来た22頭のうち9頭(41%)が3着内に入っています。弥生賞からは38頭中8頭(21%)、スプリングSからは35頭中2頭(6%)、若葉Sからは19頭中1頭(5%)で、同じトライアルでも差がありました。どれも10年で数頭の差で、年ごとの顔ぶれで大きく動きます。前走がリステッド・オープン特別の14頭と、条件戦の8頭からは3着内が出ていません。
- トライアルで優先出走権を取った弥生賞3着以内・スプリングS3着以内・若葉S2着以内9頭30%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走2頭7%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む4頭13%
- その他の重賞から15頭50%
- トライアルで優先出走権を取った弥生賞3着以内・スプリングS3着以内・若葉S2着以内64頭36%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走28頭16%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む10頭6%
- その他の重賞から51頭29%
- リステッド・オープン特別から14頭8%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利8頭5%
| トライアル・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| 弥生賞・3着以内 | 38(26) | 8(6) |
| スプリングS・3着以内 | 35(23) | 2(2) |
| 若葉S・2着以内 | 19(15) | 1(1) |
勝ち馬10頭の前走
過去10年の勝ち馬で、トライアルの優先出走権を持って勝ったのは2018年のエポカドーロ(スプリングS2着)だけです。2025年のミュージアムマイルは弥生賞で4着に終わり、権利のないまま本番を制しました。
残る8頭の前走はトライアル以外のレースです。共同通信杯から4頭(ディーマジェスティ、エフフォーリア、ジオグリフ、ジャスティンミラノ)、ホープフルSから2頭(サートゥルナーリア、コントレイル)、毎日杯からアルアイン、京成杯からソールオリエンスで、ホープフルS組の2頭は前走から100日以上あけての出走でした。JRAの皐月賞のページも、主なステップにトライアル3レースのほか、ホープフルS・京成杯・きさらぎ賞・共同通信杯・毎日杯を挙げています。前走で1着だった馬は、3着内30頭では22頭(73%)で、出走馬175頭での45%を大きく上回ります。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | ディーマジェスティ | 共同通信杯 | 1着 |
| 2017年 | アルアイン | 毎日杯 | 1着 |
| 2018年 | エポカドーロ | スプリングS | 2着 |
| 2019年 | サートゥルナーリア | ホープフルS | 1着 |
| 2020年 | コントレイル | ホープフルS | 1着 |
| 2021年 | エフフォーリア | 共同通信杯 | 1着 |
| 2022年 | ジオグリフ | 共同通信杯 | 2着 |
| 2023年 | ソールオリエンス | 京成杯 | 1着 |
| 2024年 | ジャスティンミラノ | 共同通信杯 | 1着 |
| 2025年 | ミュージアムマイル | 弥生賞 | 4着 |
地方馬・外国馬・せん馬・追加登録
地方所属馬
地方競馬に籍を置いたまま皐月賞をめざす馬も、トライアル3レースでJRA所属馬と同じ着順に入れば優先出走権を得ます。2026年度の申込締切は、トライアルが2月18日、皐月賞が3月31日でした。トライアルに申し込めるのは、中央の芝重賞2着以内などの芝の実績がある馬(優先)か、収得賞金が500万円を超える馬(賞金順で上位に入った場合だけ)で、実際に走れるステップ競走は1つに限られます。トライアルを経ずに優先されるのは、中央の3歳芝重賞の勝ち馬と、過去1年間に中央か指定外国の芝G1を勝った馬です。
2016〜2026年の特別登録の一覧に、地方所属のままの馬(カク地)は見当たりません。地方から移ってきたJRA所属馬(マル地)が、トラスト、ダブルシャープ、ナイママの3頭いただけです。
外国馬
外国調教馬は優先出走権の馬に次いで優先されますが、2016〜2026年に登録した例はありません。外国産のJRA所属馬は2002年から出られるようになり、この期間ではジャンダルム(2018年)、ダーリントンホールとアメリカンシード(2020年)、シンエンペラー(2024年)が登録しています。
せん馬
皐月賞は牡・牝限定なので、せん馬は出られません。弥生賞と若葉Sは性別を問わずせん馬も走れますが、権利の着順に入っても皐月賞には使えません。スプリングSは初めから牡・牝限定です。
追加登録
一覧の備考に追加登録(200万円)とある馬は、2021年のアサマノイタズラ、2023年のタッチウッド、2024年のビザンチンドリーム、2025年のフクノブルーレイクとローランドバローズの5頭で、2026年はいませんでした。
よくある質問
弥生賞で4着だった馬は、皐月賞に出られない?
権利は付きませんが、賞金の順番で枠に入れれば出られます。2018年のサンリヴァルは弥生賞4着から皐月賞で2着、2025年のミュージアムマイルは同じ弥生賞4着から皐月賞を勝ちました。
共同通信杯を勝った馬に優先出走権はある?
JRA所属馬にはありません。JRA所属馬に権利が付くのは弥生賞・スプリングS・若葉Sの3レースだけです(地方所属馬は、共同通信杯など中央の3歳芝重賞を勝てば皐月賞に優先出走できます)。共同通信杯や京成杯、きさらぎ賞、毎日杯を勝ったJRA所属馬は、1着で加わった収得賞金(本賞金の半額)を持って賞金順の枠を争います。過去10年の勝ち馬の前走は、上の表にまとめています。
ダートで勝ち上がった馬は皐月賞に出られる?
資格の上では問題ありません。本番の賞金順ではダートの賞金が数えられないので、芝のオープン・1勝クラスで賞金を加えていなければ0円として並びます。トライアルの出走順は通算の賞金で決まるため、ダートの勝ち星はそちらで生きます。
皐月賞で何着に入ればダービーに出られる?
5着以内に入ると、日本ダービー(東京優駿)の優先出走権が付きます。2016年度と2017年度は4着以内で、2018年度から5着以内に広がりました。地方所属馬にも同じ権利があります。
- 未勝利のままトライアルに出た馬が、その着順で皐月賞へ進むには、弥生賞・スプリングSで2着以内、若葉Sで1着が必要。3着(若葉Sは2着)では賞金が増えず、未勝利馬のままで権利も付かない
- 権利のない馬の境目は、特別登録の時点で1,000万〜1,200万円前後の年が目立つ。400万円まで届いた年や繰り上がりの年もある
- 皐月賞の権利組は出走馬175頭のうち64頭で最大の集団だが、3着内率は14%で、出走馬全体の17%より低かった