天皇賞(春)の出走条件 — 阪神大賞典・日経賞1着、登録超えは11年で3回
- 枠はレーティング上位10頭、阪神大賞典・日経賞の1着馬、外国馬、地方馬、出走馬決定賞金の順。2026年はレーティングの条件を満たした日本馬が9頭で、10頭の枠は埋まらなかった
- 特別登録が18頭を超えたのは2016〜2026年の11回で3回だけ。3勝・2勝クラスの馬が本番を走った年もある
- 権利を持って出た18頭は3着内が9頭(50%)。権利を逃して前哨戦から来た82頭は10頭(12%)で、全体の18%を下回る
天皇賞(春)の条件と、18頭の枠が埋まる順番
2026年の天皇賞(春)は第173回で、5月3日に京都の芝3200m(右・外回り)で行われました。4歳以上なら牡馬・牝馬・せん馬(2008年から)のどれでも出られ、未出走馬と未勝利馬は対象外です。斤量は牡馬・せん馬が58kg、牝馬は2kg軽い56kgの定量で、2016〜2026年の間は一度も動いていません。フルゲートは18頭、1着本賞金は2025年に2億2,000万円から3億円へ引き上げられました。
出馬投票が18頭を上回ると、下の表の順番で枠が割り当てられます。先頭はレーティング上位10頭、2番目が阪神大賞典か日経賞の勝ち馬で、外国馬、前哨戦で2着以内などの条件を満たした地方所属馬が続きます。残りの枠は出走馬決定賞金の多い順に埋め、18頭で締め切り。ファン投票や招待の枠はなく、G1ごとの順番の違いは総合記事で比べています。
レーティングの枠は2026年に10頭へ
レーティングで優先される頭数は、2025年までの5頭から2026年に10頭へ増えました。110以上(牝馬は106以上)に限られ、牝馬は数値に4ポンドを加えて比べます。2026年は4月20日の発表で条件を満たした日本馬が9頭しかおらず、10頭の枠は埋まっていません。108のホーエリートとヴェルミセル(ともに牝馬)が6・7位に入り、111のシンエンペラーは8位でした。
| 順番 | 入る馬 | 2026年の条件 |
|---|---|---|
| ① | レーティング上位10頭 | 出馬投票した馬が対象。110以上(牝馬106以上)に限り、牝馬は4ポンド加算で順位付け |
| ② | 阪神大賞典・日経賞の1着馬 | 同じ年度の天皇賞(春)でだけ使える。出走馬決定順一覧の表示は「GⅠ等優先」 |
| ③ | 外国馬 | 2005年の国際競走化から出走できる |
| ④ | 地方所属馬 | 阪神大賞典・日経賞の2着以内、または過去約1年の芝G1勝ち |
| ⑤ | 出走馬決定賞金の多い順 | オープン馬が先で、3勝クラス以下の馬はその後ろ。同額で境目に並べば抽選 |
賞金順で入る馬 — 登録が18頭を超えたのは3回
2026年の出走馬決定順一覧では、3勝クラスのプレシャスデイ(2,600万円)が、額の少ないオープン馬ケイアイサンデラ(2,400万円)より下の最後尾に置かれました。賞金の額より先にクラスで並べるからで、同じクラスの中の順番を決めるのが出走馬決定賞金です。その馬の収得賞金に、直近約1年に得た収得賞金の算入額(地方・海外の分も入る)と、直近約2年のG1で得た収得賞金の算入額を加えて計算します。
特別登録が18頭を超えた年
特別登録の時点の出走馬決定順一覧で2016〜2026年の11回を確かめると、登録が18頭を超えたのは2016年(19頭)、2017年(19頭)、2024年(21頭)の3回でした。一覧で18番目の馬の出走馬決定賞金は、2016年が3,750万円、2017年が3,100万円、2024年が2,850万円(ハピ)です。2024年は19〜21番目のメロディーレーン、シュヴァリエローズ、ウインエアフォルク(3勝クラス)が圏外で、出馬表には一覧の上位18頭が並びました。ヒンドゥタイムズの出走取消があり、本番は17頭立てです。
残る8回は、登録した馬が全頭18頭の内側に収まっていました。格上挑戦の馬もたびたび本番を走っており、3勝クラスでは2021年のディバインフォース・メロディーレーン・シロニイ、2022年のロバートソンキー、2023年のエンドロール、2025年のリミットバスターとウインエアフォルク、2026年のプレシャスデイが出走し、2020年には2勝クラス(収得賞金900万円)のメロディーレーンも走りました。18頭立ては2016〜2025年で2016年と2022年の2回だけで、最も少ない2019年は13頭でした。
前哨戦の阪神大賞典・日経賞 — 2026年の条件と権利の移り変わり
JRA所属馬の場合、天皇賞(春)の優先出走権が付くのは3月の阪神大賞典(GⅡ)と日経賞(GⅡ)の1着だけです(地方所属馬は2着以内)。阪神大賞典は阪神の芝3000mで3月中旬〜下旬の日曜、日経賞はその翌週の土曜に中山の芝2500mで行われ、この組み合わせは2016〜2026年を通じて同じです。2026年は本番まで、阪神大賞典から42日、日経賞から36日の間隔でした。どちらも4歳以上の別定戦で、フルゲートは阪神大賞典が18頭、日経賞は16頭です。
2016年度までは産経大阪杯の1着にも権利
2016年度の規定では、当時GⅡだった産経大阪杯の1着にも天皇賞(春)の権利がありました。2017年に大阪杯がG1に上がってJRA所属馬の権利レースから外れ、それから2026年まで、権利は阪神大賞典か日経賞の1着という形で変わっていません。2016年に大阪杯を勝ったアンビシャスは天皇賞(春)に登録しておらず、大阪杯2着から本番を勝ったキタサンブラックは、当時の規定でも権利を持たない立場でした。
| 項目 | 天皇賞(春) | 阪神大賞典 | 日経賞 |
|---|---|---|---|
| 2026年の日付 | 5月3日(日・祝) | 3月22日(日) | 3月28日(土) |
| コース | 京都 芝3200m(右・外) | 阪神 芝3000m(右) | 中山 芝2500m(右) |
| 格 | GⅠ | GⅡ | GⅡ |
| 出走資格 | 4歳以上(未出走・未勝利馬を除く) | 4歳以上(同) | 4歳以上(同) |
| 負担重量 | 定量 58kg(牝馬56kg) | 別定 4歳56kg・5歳以上57kg(牝馬2kg減)。2025年3月22日以降に牝馬限定を除くG1を勝った馬は2kg増など | 別定 4歳56kg・5歳以上57kg(牝馬2kg減)。2025年3月29日以降に牝馬限定を除くG1を勝った馬は2kg増など |
| フルゲート | 18頭 | 18頭 | 16頭 |
| 1着本賞金 | 3億円 | 6,700万円 | 6,700万円 |
| 特別登録(中央馬) | 4月19日・4月30日(6万円+24万円) | 3月15日・3月19日(2万円+8万円) | 3月22日・3月26日(2万円+8万円) |
| 天皇賞(春)の権利 | — | 1着(地方馬は2着以内) | 1着(地方馬は2着以内) |
阪神大賞典・日経賞の出走馬はどう決まるか
阪神大賞典は2016〜2025年の10回とも10〜15頭で、フルゲートの18頭に届いた年は一度もありません。日経賞も16頭そろったのは2017年の1回だけです。頭数を超えた場合は外国馬と芝実績のある地方所属馬を先に入れ、残りをクラス順、同じクラスなら出走馬決定賞金の多い順に並べる、というのが両レース共通の定めです。
そのため、1勝以上していれば格上挑戦の馬もほぼそのまま出走できています。前走が条件戦だった馬は、阪神大賞典に119頭中19頭(16%)、日経賞に133頭中12頭(9%)いて、阪神大賞典の19頭のうち15頭、日経賞の12頭のうち11頭は3勝クラスからでした。別定戦なのでトップハンデの優先はなく、未出走馬と未勝利馬は申し込めません。
| 前哨戦 | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| 阪神大賞典 | 平均11.9頭(2016〜2025年の10回・最多15頭) | 重賞69%・OP13%・条件戦16%・地方/海外3% |
| 日経賞 | 平均13.3頭(2016〜2025年の10回・最多16頭) | 重賞82%・OP7%・条件戦9%・地方/海外2% |
【データ】出走馬163頭と3着内30頭の前走
この節の数字は当サイトの集計です。対象は2016〜2025年の天皇賞(春)10回(2021・2022年は京都の整備工事のため阪神で開催)の出走馬163頭で、それぞれ直前の1戦で振り分けました。権利の有無は現行の2026年の着順規定で判定していますが、2016年に権利のあった産経大阪杯の勝ち馬は出走していないので、権利組の18頭は当時の実際と一致します。
出走馬のうち100頭(61%)は、阪神大賞典か日経賞から来た馬です。このうち権利を持っていたのは18頭で、残る82頭は2着以下から出走しています。3着内30頭に占める前哨戦組も19頭(63%)で、出走馬の中の割合とほぼ同じでした。
3着内の内訳で最も大きいのは、前哨戦で権利を逃した10頭です。この組は出走馬でも82頭と最大で、3着内率は12%(82頭中10頭)にとどまり、出走馬全体の18%(163頭中30頭)より低くなっています。権利を持って出た18頭は9頭が3着内に入りました(50%)。前走G1級の10頭からは3頭(30%)、その他の重賞から来た38頭からは8頭(21%)で、リステッド・オープン特別の6頭と条件戦の9頭からは3着内が出ていません。
3着内30頭の半数は前走で1着だった馬で、出走馬163頭ではこの割合が23%でした。前哨戦の勝ち馬だけで構成される権利組の50%は、「直前に重賞を勝った馬」の数字でもあり、10年で18頭という小さな集団の結果です。
- 前哨戦で優先出走権を取った阪神大賞典1着・日経賞1着18頭11%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走82頭50%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む10頭6%
- その他の重賞から38頭23%
- リステッド・オープン特別から6頭4%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利9頭6%
- 前哨戦で優先出走権を取った阪神大賞典1着・日経賞1着9頭30%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走10頭33%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む3頭10%
- その他の重賞から8頭27%
阪神大賞典組と日経賞組 — 勝ち馬の3着内は7頭と2頭
前哨戦から本番へ向かった馬は、阪神大賞典組が62頭、日経賞組が38頭でした。3着内はそれぞれ14頭と5頭で、阪神大賞典組だけで3着内30頭の47%を占めています。
目立つ違いは勝ち馬の成績にあります。阪神大賞典の勝ち馬9頭では7頭が本番でも3着内に残り、レインボーライン(2018年)、ジャスティンパレス(2023年)、テーオーロイヤル(2024年)の3頭は優勝しています。日経賞の勝ち馬9頭では、2020年のミッキースワロー(3着)と2022年のタイトルホルダー(1着)の2頭だけです。どちらも10年で9頭ずつの小さな比較です。
権利を持たずに出た馬の3着内率は、阪神大賞典組が53頭中7頭(13%)、日経賞組が29頭中3頭(10%)で、開きは小さめです。
ディープボンドは2021〜2024年に4年続けて本番の3着内に入りました。前走の阪神大賞典は1着・1着・5着・7着で、2021・2022年は権利を持って、2023・2024年は権利なしで出走しています。
勝ち馬が本番に来なかった年
2019年に阪神大賞典を勝ったシャケトラは特別登録をしたものの出走せず、日経賞を勝った2024年のシュトルーヴェと2026年のマイユニバースは登録をしていません。2024年のGⅠ等優先はテーオーロイヤル1頭だけで、この馬が本番も勝っています。
| 前哨戦・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| 阪神大賞典・1着 | 62(9) | 14(7) |
| 日経賞・1着 | 38(9) | 5(2) |
過去10回の勝ち馬の前走 — 5回は阪神大賞典・日経賞を使わずに
過去10回(2016〜2025年)の優勝馬で、前哨戦の勝利による権利を持っていたのは4頭です。阪神大賞典1着が3頭、日経賞1着が2022年のタイトルホルダーで、2021年のワールドプレミアは日経賞3着から権利なしで出て勝ちました。
残る5回は、阪神大賞典・日経賞を使わずに来た馬の勝利です。キタサンブラックは2016・2017年とも大阪杯から中3週で臨みました。1回目は当時まだ権利レースだったGⅡの産経大阪杯、2回目はG1になった最初の年の大阪杯でした。フィエールマンはAJCCから98日(2019年)、有馬記念から133日(2020年)の間隔で連覇。2025年のヘデントールは、ダイヤモンドSを勝ってから71日の直行です。
大阪杯から来た8頭では、キタサンブラックの2回と2018年2着のシュヴァルグラン(大阪杯13着)が3着内に入りました。ダイヤモンドS組は19頭が出て3着内が2頭、サウジアラビアのレッドシーターフHを勝った馬も2023年と2025年に3着・2着に来ています。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | キタサンブラック | 大阪杯(当時GⅡ) | 2着 |
| 2017年 | キタサンブラック | 大阪杯 | 1着 |
| 2018年 | レインボーライン | 阪神大賞典 | 1着 |
| 2019年 | フィエールマン | AJCC | 2着 |
| 2020年 | フィエールマン | 有馬記念 | 4着 |
| 2021年 | ワールドプレミア | 日経賞 | 3着 |
| 2022年 | タイトルホルダー | 日経賞 | 1着 |
| 2023年 | ジャスティンパレス | 阪神大賞典 | 1着 |
| 2024年 | テーオーロイヤル | 阪神大賞典 | 1着 |
| 2025年 | ヘデントール | ダイヤモンドS | 1着 |
地方所属馬・外国馬が天皇賞(春)に出るには
地方所属馬は、阪神大賞典か日経賞で2着以内に入れば天皇賞(春)に優先して出られます。1着しか認められないJRA所属馬より1つ広い枠です。2023年度からは、過去約1年に芝のG1(中央または海外)を勝った地方馬も優先の対象になりました。芝G1で2着だった馬は申し込みまではでき、中央の馬と同じ順番の中で圏内に入れば出走します。
地方馬のステップ競走は2度組み替えられています。2016年度は阪神大賞典・日経賞・産経大阪杯、2017〜2022年度はG1になった大阪杯を含む3レースで、2023年度から阪神大賞典・日経賞の2レースに絞られました。2026年の申込締切は前哨戦が3月4日、天皇賞(春)が4月14日です。前哨戦には中央の芝重賞2着以内などの芝実績か収得賞金1,600万円超で申し込め、2レースの両方に地方馬として出ることはできません。
外国馬とせん馬
外国調教馬は2005年の国際競走化で出られるようになり、2026年の特別登録は4月30日の1回(30万円)でした。2016〜2026年の結果表の調教師欄に、外国の調教師は見当たりません。せん馬は2008年から出走できます。
よくある質問
天皇賞(春)のフルゲートは何頭ですか?
18頭です。特別登録の段階で18頭を超え、賞金の順番で線が引かれた年は2016〜2026年で3回でした。どの馬が圏外に回ったかは、賞金順の節にまとめています。
阪神大賞典や日経賞で2着でも優先出走権はもらえますか?
JRA所属馬はもらえません。それでも2着から権利なしで本番を走った馬はいて、2017年のシュヴァルグラン(阪神大賞典2着)は本番2着、2021年のカレンブーケドール(日経賞2着)は本番3着でした。地方所属馬に限っては、2着でも優先の対象です。
3勝クラスの馬でも天皇賞(春)に出られますか?
出られます。並び順はオープン馬の後ろなので、登録が多い年ほど圏外に回りやすくなりますが、登録が18頭以内の年なら順番に関係なく出走圏内です。
大阪杯から天皇賞(春)に向かうこともできますか?
できます。JRA所属馬にとって、大阪杯は2017年から天皇賞(春)の権利レースではありません(地方所属馬のステップ競走としては2022年度まで残っていました)。それでも、権利がなくてもレーティングの枠や出走馬決定賞金の順番で出走できます。大阪杯組の過去10年の成績は、勝ち馬の前走の節にまとめました。
- JRA所属馬の権利は阪神大賞典・日経賞の1着だけ。地方所属馬は2着まで、2023年度からは芝G1勝ちでも優先される
- 3着内で最も多い「前哨戦で権利を逃した組」は、出走馬も多いので3着内率は12%。内訳の大きさと率は分けて読む
- 産経大阪杯(当時GⅡ)の1着に権利があったのは2016年度まで。2017年に大阪杯がG1になり、JRA所属馬の権利レースから外れた