秋華賞の出走条件 — 紫苑S・ローズSの権利と通算賞金の境目
- 出走枠は紫苑S・ローズSの3着以内(最大6頭)が先。残りは外国馬・地方馬のあと、ダートも含めた通算の収得賞金の順
- 特別登録で最後の枠にいた馬の額は、2020〜2025年(2024年を除く)が1,500万〜1,600万円。同じ額の馬が境目に並ぶ年がほとんど
- 過去10年の出走馬171頭のうち、権利組51頭の3着内率は22%。オークスから直行した25頭は11頭(44%)が3着内で、勝ち馬は7頭
秋華賞の基本条件(2026年)
2026年の秋華賞(第31回)は10月18日(日)、京都競馬場の芝2,000m・内回りで行われます。出走できるのは3歳の牝馬で、未出走馬と未勝利馬は出られません。負担重量は馬齢重量の55kg(南半球で7〜12月に生まれた馬は2kg減の53kg)、フルゲートは18頭で、1着の本賞金は1億1,000万円。競走の区分は国際・指定で、外国で調教された馬も、地方競馬に籍を置く馬も登録できます。
1996年、それまで牝馬三冠の最終戦だったエリザベス女王杯が3歳以上に開放されたのを受けて、3歳牝馬だけの三冠目として新設されたレースです。2021・2022年は京都競馬場の整備工事で阪神の芝2,000m(上限16頭)に移り、2023年に京都と18頭に戻りました。
出走枠が埋まる順番 — 権利の6頭の次は賞金順
18の枠は、①紫苑S・ローズSで3着以内に入ったJRA所属馬、②外国調教馬、③地方所属馬(トライアルで3着以内、または過去約1年の芝G1の1着)、④収得賞金の多い馬、の順に埋まります。トライアルの権利は最大6頭で、2016〜2025年の特別登録の段階では毎年4〜6頭でした。この10年は地方所属馬の登録も外国調教馬の出走も見当たらないため、実際には権利の馬のすぐ後ろから賞金の順番争いになります。
④の賞金は、芝とダートを分けずに数えた通算の収得賞金です。春の3歳G1は2025年から、芝の1勝クラス・オープン競走(とパートⅠ国の芝の競走)で得た賞金だけで並べていますが、秋華賞の順番にはダートの条件戦を勝って得た賞金もそのまま入ります。境目で同じ額の馬が並べば抽選です。
2026年に優先出走権を持つのは、紫苑S(9月6日)1着のマスターソアラ、2着サムシングスイート、3着ドリームコアと、ローズS(9月13日)1着のモンローウォーク、2着エンネ、3着イクシードの6頭です。6頭がそろって登録し、外国馬・地方馬がいなければ、賞金の順で埋まる枠は12になります。
| 順番 | 枠に入る馬 | 秋華賞での中身(2026年度) |
|---|---|---|
| ① | 優先出走権を持つ馬 | 紫苑S・ローズSの3着以内に入ったJRA所属馬(最大6頭) |
| ② | 外国調教馬 | 海外で調教された馬。権利の馬のすぐ後で、賞金の順番より前 |
| ③ | 地方所属馬 | 紫苑S・ローズSでJRA所属馬と同じ3着以内、または過去約1年の芝G1(中央・指定の外国G1)の1着 |
| ④ | 収得賞金が多い馬 | 芝・ダートを合わせた通算の額で比べる。同額の境目は抽選 |
賞金順の境目 — 特別登録で最後の枠にいた額
2016〜2025年の特別登録には毎年17〜25頭が集まり、出走できる頭数に届かなかったのは17頭だった2024年だけです。権利を持つ馬を除いて賞金の順に並べると、最後の枠にいた馬の額は、2016・2018・2019年が900万円、2017年が1,400万円、2020・2022・2023・2025年が1,500万円、阪神で16頭までだった2021年が1,600万円でした。2020年以降は、2024年を除いて1,500万円を下回っていません。
2026年度の加算額(新馬・未勝利の勝ち400万円、1勝クラス500万円、2勝クラス600万円)で数えると、900万円は2勝、1,500万円は新馬(未勝利)・1勝クラス・2勝クラスを1つずつ勝った3勝の額にあたります(当時の加算額は年によって違う場合があります)。
境目には同じ額の馬が固まりやすく、2024年を除く9回とも、最後の枠を同じ額の複数の馬で争う並びでした。2018年と2022年は8頭で4枠、2020年は6頭で3枠です。
2016年はローズS1着のシンハライトが登録したあと出走せず、2020年は1,600万円のデゼル、2023年は1,700万円のシンリョクカも本番に出ませんでした。どの年も、空いた枠は境目の額に並んでいた馬へ回っています。
本番が18頭立てだったのは2016・2017・2020・2023・2025年の5回で、阪神の2021・2022年は上限の16頭立てでした。2018年はスカーレットカラー、2019年はメイショウショウブが出走を取り消し、どちらも17頭で行われています。登録17頭の2024年は15頭立てでした。
紫苑S・ローズSの条件(2026年)
秋華賞トライアルは9月の紫苑SとローズSです。2026年は紫苑Sが9月6日(日)に中山の芝2,000mで、ローズSが9月13日(日)に阪神の芝1,800m・外回りで行われ、どちらもGⅡで1着の本賞金は5,200万円でした。2026年の実際の頭数は、紫苑Sが11頭(当日は重馬場)、ローズSが12頭でした。
紫苑Sは2000年に秋華賞のトライアルとして創設され、2016年に重賞(GⅢ)、2023年からGⅡになりました。ローズSは2007年から阪神の芝1,800m・外回りが舞台で、この10年では2020〜2022年と2024年の4回、中京の芝2,000mで行われています。
負担重量は2023年まで、9月のトライアルが54kg、10月の本番が55kgで、1kgの差がありました。3歳牝馬の馬齢重量が「9月まで54kg、10月から55kg」だったためで、2024年度から通年55kgにそろいました。
| トライアル | 2026年の日程 | コース | 格 | フルゲート | 秋華賞の優先出走権 |
|---|---|---|---|---|---|
| 紫苑S | 9月6日(日)中山 | 芝2,000m | GⅡ | 18頭 | 3着以内 |
| ローズS | 9月13日(日)阪神 | 芝1,800m・外回り | GⅡ | 18頭 | 3着以内 |
トライアルの出走馬はどう決まるか
紫苑SとローズSには、未出走馬と未勝利馬(収得賞金のない馬)は出られません。未勝利馬も出られる春のトライアルの一部と違い、秋の2レースは本番と同じく、収得賞金を持っていることが条件です(1勝なら400万円。勝っていなくても重賞2着の賞金があれば対象)。頭数が18を超えたときは、外国馬と芝実績の地方馬が先に入り、残りを3歳のオープン重賞として収得賞金の多い順に選びます。ここでもダートで得た賞金を数えます。同じ額なら抽選で、除外されても次のレースの優先出走権は付きません。
2016〜2025年の紫苑Sは12〜18頭立てで、18頭そろったのは2016・2017・2020・2021年の4回でした。
紫苑Sの出走馬は、前走が条件戦だった馬が半分を超えます。2016〜2025年の出走馬158頭のうち90頭(57%)が前走条件戦で、クラス名で分けられる馬では1勝クラスからが50頭、2勝クラスからが18頭(2018年以前の旧クラス名の馬などを除く)。未勝利戦を勝ってすぐ挑んだ馬も7頭いました。前走G1の馬は40頭(25%)です。
収得賞金400万円の1勝馬が本番の賞金順で出たのは、この10年では登録が17頭で全頭が圏内だった2024年のラビットアイだけです。1勝馬にとってはトライアルの3着以内が本番への道で、2023年に紫苑Sで3着に入ったシランケドは、400万円のまま優先出走権を得て特別登録しました(本番は出走せず)。重賞の3着は収得賞金に加算されないため、権利を取っても賞金の額は変わりません。
| トライアル | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| 紫苑S | 平均15.8頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞35%・OP4%・条件戦57%・地方/海外3% |
| ローズS | 平均15.9頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞41%・OP2%・条件戦56%・地方/海外1% |
過去10年の出走馬171頭と3着内30頭の前走
2016〜2025年の秋華賞に出た171頭のうち、紫苑S・ローズSを経由した馬は102頭(60%)でした。その半分の51頭が3着以内で権利を取った馬(権利組)、残る51頭は権利の着順に届かず賞金で出てきた馬です。権利組は11頭が3着内に入って率は22%、権利外の組は5頭で10%。出走馬全体では171頭中30頭で、率は18%です。
率がいちばん高いのは、オークスから直行した馬でした。25頭のうち11頭が3着内で、率は44%。出走馬の15%(171頭中25頭)にあたる組から、3着内30頭のうち11頭が出た計算です。
3着内の内訳では、権利組とオークス組が11頭ずつで並びます。出走した頭数は権利組が51頭、オークス組が25頭で、同じ11頭でも率には2倍の開きがありました。前走が条件戦だった29頭からは2頭(7%)が3着内に入り、2018年2着のミッキーチャームと2020年3着のソフトフルートは、どちらも2勝クラス(2018年当時の呼び名は1000万下)を勝って直行した馬です。
トライアル別では、紫苑S組が46頭中8頭(17%)、ローズS組が56頭中8頭(14%)でした。権利組に絞ると紫苑Sが26頭中6頭、ローズSが25頭中5頭で、率の差は数ポイントにとどまります。
- トライアルで優先出走権を取った紫苑S3着以内・ローズS3着以内51頭30%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走51頭30%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む25頭15%
- その他の重賞から14頭8%
- リステッド・オープン特別から1頭0%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利29頭17%
- トライアルで優先出走権を取った紫苑S3着以内・ローズS3着以内11頭37%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走5頭16%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む11頭37%
- その他の重賞から1頭3%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利2頭7%
| トライアル・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| 紫苑S・3着以内 | 46(26) | 8(6) |
| ローズS・3着以内 | 56(25) | 8(5) |
勝ち馬10頭の前走 — 7頭がオークスから直行
2016〜2025年の勝ち馬10頭のうち7頭は、オークスのあと夏を休んで本番へ向かった馬でした。2018年のアーモンドアイ、2020年のデアリングタクト、2023年のリバティアイランドは、ここで牝馬三冠を達成しています。7頭のオークスの着順は1着が4頭、2着・3着・9着が1頭ずつで、9着から勝ったのが2025年のエンブロイダリーです。
トライアルから来た勝ち馬は、2016年のヴィブロス(紫苑S2着)、2017年のディアドラ、2022年のスタニングローズ(ともに紫苑S1着)の3頭で、3頭とも権利組でした。ローズS組は10年で56頭が出走し、2017年のリスグラシューと2023年のマスクトディーヴァが2着に入りましたが、勝ち馬は出ていません。
勝ち馬の本番までの間隔は、オークス組が147日、紫苑S組が36日でした。2着・3着の20頭に広げると、トライアルを経由した馬が13頭(権利組8頭、権利外5頭)を占め、オークス組は4頭です。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | ヴィブロス | 紫苑S | 2着 |
| 2017年 | ディアドラ | 紫苑S | 1着 |
| 2018年 | アーモンドアイ | オークス | 1着 |
| 2019年 | クロノジェネシス | オークス | 3着 |
| 2020年 | デアリングタクト | オークス | 1着 |
| 2021年 | アカイトリノムスメ | オークス | 2着 |
| 2022年 | スタニングローズ | 紫苑S | 1着 |
| 2023年 | リバティアイランド | オークス | 1着 |
| 2024年 | チェルヴィニア | オークス | 1着 |
| 2025年 | エンブロイダリー | オークス | 9着 |
地方馬・外国馬と登録の手続き
地方所属馬
地方所属馬が秋華賞で優先されるのは、紫苑S・ローズSでJRA所属馬と同じ3着以内に入った場合と、過去約1年の芝G1で1着になった場合で、どちらも外国馬の次の③の枠に入ります。芝G1の2着は優先ではなく、出走の申し込みだけが認められます。トライアルの側では、芝で中央の重賞2着以内などの実績がある「芝実績馬」が優先され、それ以外の地方馬は収得賞金500万円超なら中央の馬と同じ選定で枠を争います。2026年度の地方馬の出走申込締切は、ステップ競走(紫苑S・ローズS)が8月19日で、秋華賞は9月29日です。
外国産馬と外国調教馬
外国産馬(マル外)は、2016年のネオヴェルザンディ、2017年のラビットラン、2018年のランドネが登録し、本番に出走しました。外国調教馬の出走は、この10年ありません。
特別登録と出馬投票
秋華賞は3歳馬5大特別競走に入っていないので、桜花賞やオークスのような前年秋からの段階的な登録は要りません。2026年の締切と登録料は下の表のとおりです。
| 手続き | 2026年の締切 | 登録料 |
|---|---|---|
| 第1回特別登録(中央馬・地方馬) | 10月4日(日) | 6万円 |
| 第2回特別登録(中央馬・地方馬) | 10月15日(木) | 24万円 |
| 外国馬の特別登録 | 10月15日(木) | 30万円 |
| 出馬投票 | 10月15日(木)12:00〜14:00 | — |
よくある質問
紫苑SやローズSで4着以下だと、秋華賞には出られない?
賞金が足りていれば出られます。優先出走権がなくても、収得賞金の順番で境目より上にいれば枠に入ります。2020年に2着だったマジックキャッスルは紫苑S4着からこの形で出走しました。
1勝馬でも秋華賞に出られる?
出られる道はありますが、賞金の順番だけで届いた1勝馬はこの10年で2024年の1頭しかおらず、実際にはトライアルで権利を取るのが近道です(トライアル自体の選ばれ方は、トライアルの節で説明しています)。
2026年の秋華賞で優先出走権を持っている馬は?
紫苑SとローズSでそれぞれ1〜3着に入った6頭で、馬名は出走枠の順番の節に載せています。権利は10月4日締切の特別登録と、15日の出馬投票を済ませて初めて使えます。権利を持つ馬が登録しなかったり出走を見送ったりすると、その枠は賞金順の馬に回ります。
オークスで負けた馬も秋華賞に出られる?
出られます。オークスの着順は秋華賞の権利とは関係がなく、トライアルを使わない馬は収得賞金の順番で枠に入ります。2025年はオークス9着のエンブロイダリーがこの形で出走して勝ちました。オークス組の頭数と3着内率は、過去10年の出走馬の節にあります。
- 賞金順の境目は2020年以降、2024年を除いて1,500万円以上。新馬(未勝利)・1勝クラス・2勝クラスを1つずつ勝った3勝の額で、ダートで得た賞金もここに数える
- 収得賞金400万円の1勝馬が本番に出る道は、ほぼトライアルの3着以内に限られる。重賞の3着は権利だけで、賞金は増えない
- 3着内が権利組とオークス組の11頭ずつという並びは、出走頭数(権利組51頭・オークス組25頭)と並べて読む