天皇賞(秋)の出走条件 — 前哨戦3レースの権利と賞金順
- 出走枠はレーティング上位10頭 → 前哨戦3レースの1着馬 → 外国馬 → 地方馬 → 賞金順の順に埋まる
- 2016〜2025年に特別登録が18頭を超えたのは2017年の1回だけ。その2017年も、登録19番目の馬が繰り上がって出走している
- 2016〜2025年の出走馬144頭のうち前走G1級は47頭で3着内20頭(43%)。前哨戦で権利を逃した50頭は3着内4頭(8%)
2026年の天皇賞(秋)の条件
第174回天皇賞(秋)は、2026年11月1日(日)に東京競馬場の芝2000m(左回り)で行われます。出走できるのは3歳以上で、未出走馬と未勝利馬は除かれます。負担重量は年齢と性別だけで決まる定量で、3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬は2kg減。フルゲートは18頭です。
国際・指定の競走なので、外国調教馬と地方所属馬も出られます。1着の本賞金は2021年まで1.5億円で、2022年に2億円、2023年に2.2億円と上がり、2025年から3億円になりました。距離・コース・斤量は2016年から変わっていません。
秋の天皇賞が3200mから2000mになったのは1984年で、「(秋)」の表記もこの年から。3歳馬は1987年、外国産馬は2000年、せん馬は2008年から出られるようになり、2005年に国際競走になりました。
| 項目 | 2026年の内容 |
|---|---|
| 日付 | 11月1日(日)4回東京11日目 |
| コース | 東京 芝2000m・左 |
| 出走資格 | 3歳以上(未出走馬・未勝利馬を除く)、国際・指定 |
| 負担重量 | 定量 3歳56kg・4歳以上58kg(牝馬2kg減) |
| フルゲート | 18頭 |
| 1着本賞金 | 3億円 |
| 特別登録(中央馬・地方馬) | 第1回 10月18日(日)6万円、第2回 10月29日(木)24万円 |
| 特別登録(外国馬) | 10月29日(木)30万円 |
| 出馬投票 | 10月29日(木)12時〜14時 |
18頭の枠が埋まる順番(2026年)
出馬投票が18頭を超えたときは、下の表の①から順に枠が割り当てられます。18頭以内なら順番は関係なく、全頭が出走できます。宝塚記念や有馬記念と違ってファン投票の枠はなく、全G1の比較は総合記事にまとめました。
① レーティング上位10頭
2025年までは上位5頭で、2026年から10頭に広がりました。過去1年間のオープン競走で110以上(牝馬は106以上)の評価を得た馬が対象で、牝馬は4ポンドを加えた値で並べます。2025年は特別登録の翌日の10月20日に順位が出て、上位5頭はタスティエーラとメイショウタバル(120)、ミュージアムマイルとジャスティンパレス(119)、マスカレードボール(118)でした。
② 前哨戦3レースの勝ち馬
同じ年度のオールカマー・毎日王冠・京都大賞典の1着馬が次に入ります。2026年はオールカマー(9月20日)をメイショウゲキリンが勝って権利を得ており、毎日王冠と京都大賞典は10月4日です。権利は、特別登録と出馬投票をして初めて使えます。
③〜⑤ 外国馬、地方馬、賞金順
外国調教馬、地方所属馬の優先枠のあと、残りを出走馬決定賞金の多い順で埋めます。収得賞金に、直近約1年の収得賞金(地方・海外の分を含む)と、直近約2年にG1で得た分を足した額です。並べる前にクラスで分けるので、オープン馬が全頭入ってから3勝クラス以下が続き、境目に同額の馬が並べば抽選になります。
| 順番 | 枠に入る馬 | 2026年の天皇賞(秋)では |
|---|---|---|
| ① | レーティング上位10頭 | 110以上(牝馬106以上)に限る。順位は特別登録の翌日に発表 |
| ② | 前哨戦の1着馬 | オールカマー(メイショウゲキリン)、毎日王冠・京都大賞典(10月4日) |
| ③ | 外国調教馬 | 特別登録は10月29日の1回だけ |
| ④ | 地方所属馬 | 前哨戦3レースの2着以内、約1年以内の芝G1の1着など |
| ⑤ | 出走馬決定賞金の多い順 | オープン馬が先。同額は抽選。18頭で締め切り |
特別登録が18頭を超えたのは10年で1回
2016〜2025年の天皇賞(秋)で、特別登録が18頭を超えたのは2017年の20頭だけです。ほかの9回は登録が12〜17頭、本番の出走が11〜16頭で、登録した馬は全頭が18頭の内側にいました。
そうした年の出走馬決定順一覧で最下位の馬の額は、線引きではなく、その年に登録した中で最も少なかった額にすぎません。2024年はシルトホルンの1,700万円、2025年はエコロヴァルツの9,300万円と、年によって大きく違います。2022年に最下位だった3歳のダノンベルーガ(4,800万円)は、本番で3着でした。
20頭が登録した2017年
2017年の一覧は、毎日王冠を勝ったリアルスティールが1番目で、残りが賞金の順。18番目がレインボーライン(4,850万円)で、19番目のロードヴァンドール(4,575万円)と20番目が登録時点では枠の外。実際は登録12番目と20番目の馬が出走せず、ロードヴァンドールが繰り上がって18頭立てになりました。境目の18番目にいたレインボーラインは、不良馬場の本番で13番人気ながら3着に入りました。
「非抽選馬」と「競走除外」
出馬投票の段階で順番が届かずに出られない馬を、JRAは「非抽選馬」(同じ順位の抽選で漏れた馬は「非当選馬」)と呼びます。2018年に13頭の出馬が12頭立てになったのはこれとは別の競走除外で、ダンビュライトが発走前に外されました(成績表の着順欄には「除外」と載ります)。
前哨戦3レースの条件(2026年)
優先出走権が付く産経賞オールカマー、毎日王冠、農林水産省賞典 京都大賞典は、いずれも3歳以上のG2でフルゲート18頭です。オールカマーは9月20日に中山の芝2200m(外回り)、毎日王冠と京都大賞典は10月4日に東京の芝1800mと京都の芝2400m(外回り)で行われ、本番まではそれぞれ6週と4週あきます。
負担重量は3レースとも別定です。4歳以上の基礎は57kgで、2023年度に56kgから1kg引き上げられました。1年以内に牝馬限定を除くG1を勝った4歳以上の牡馬・せん馬は2kg増の59kgとなり、本番の定量58kgより重い斤量で前哨戦を走ります(同じ条件の牝馬は57kg)。3歳の基礎はオールカマーと京都大賞典が54kg、毎日王冠が55kg。
京都大賞典は、毎日王冠の翌日の祝日に行われた年と同じ日曜の年があり、2024年以降は同じ日曜です。2021・2022年は京都競馬場の改修のため、阪神の芝2400mで行われました。
| 項目 | オールカマー | 毎日王冠 | 京都大賞典 |
|---|---|---|---|
| 2026年の日付 | 9月20日(日)実施済み | 10月4日(日) | 10月4日(日) |
| コース | 中山 芝2200m(右・外) | 東京 芝1800m(左) | 京都 芝2400m(右・外) |
| 格・出走資格 | G2・3歳以上 | G2・3歳以上 | G2・3歳以上 |
| 負担重量(別定) | 3歳54kg・4歳以上57kg | 3歳55kg・4歳以上57kg | 3歳54kg・4歳以上57kg |
| フルゲート | 18頭 | 18頭 | 18頭 |
| 天皇賞(秋)の権利 | 1着(地方馬は2着以内) | 1着(地方馬は2着以内) | 1着(地方馬は2着以内) |
前哨戦にはどうすれば出られるか
3レースとも、頭数を超えたときはクラスの高い順に並べ、同じクラスの中を出走馬決定賞金の多い順で決めます。オープン馬が全頭入ってから3勝、2勝、1勝クラスの馬が続き、前走の着順は順位に関係しません。未出走馬と未勝利馬は出られないので、格上挑戦ができるのは1勝以上した馬です。外国馬は優先され、地方所属馬は芝の実績を持つ馬から選ばれます。
2016〜2025年に18頭がそろったのは2025年の京都大賞典だけで、ほかは9〜17頭でした。前走が条件戦(3勝・2勝クラス)だった馬は、京都大賞典8頭、オールカマー4頭、毎日王冠2頭の計14頭。ただし11頭は前走を勝ってオープンに上がっていた馬で、条件クラスのまま格上挑戦したのは2019年オールカマーのトニーファイブ(2勝クラス)と2025年毎日王冠のラファドゥラ(3勝クラス)の2頭でした。出走馬の前走は、どのレースも78〜87%が重賞です。
| 前哨戦 | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| オールカマー | 平均13.0頭(2016〜2025年の10回・最多17頭) | 重賞80%・OP13%・条件戦3%・地方/海外4% |
| 毎日王冠 | 平均11.8頭(2016〜2025年の10回・最多14頭) | 重賞87%・OP8%・条件戦2%・地方/海外3% |
| 京都大賞典 | 平均14.1頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞78%・OP15%・条件戦6%・地方/海外1% |
優先出走権を使った馬は10年で6頭
前哨戦3レースの勝ち馬は2016〜2025年で延べ30頭いますが、権利を使って天皇賞(秋)に登録したのは6頭でした。毎日王冠を勝った2016年のルージュバックと2017年のリアルスティール、オールカマーを勝った2018年のレイデオロ、2019年のスティッフェリオ、2024年のレーベンスティール、京都大賞典を勝った2019年のドレッドノータスで、6頭とも本番を走っています。2020〜2023年と2025年は、権利を持つ馬の登録がありませんでした。
6頭のうち本番の3着内は、1着になった2018年のレイデオロだけ。毎日王冠からは10年で32頭が本番に出て、3着内は2016年ステファノス(毎日王冠5着)、2018年キセキ(同3着)、2019年アエロリット(同2着)、2024年ホウオウビスケッツ(同2着)の4頭で、いずれも権利のない立場でした。京都大賞典から出た8頭に3着内はいません。
| 前哨戦・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| オールカマー・1着 | 16(3) | 1(1) |
| 毎日王冠・1着 | 32(2) | 4(0) |
| 京都大賞典・1着 | 8(1) | 0(0) |
【データ】出走馬144頭と3着内30頭の前走
2016〜2025年の天皇賞(秋)10回に出走した144頭のうち、前哨戦から来た馬は権利の有無を合わせて56頭(39%)と最も多く、3着内30頭の中では5頭(17%)でした。前走G1級(海外・地方のG1級を含む)は、同じ10年の出走馬で47頭(33%)、3着内で20頭(67%)です。
2016〜2025年のルート別の3着内率は、前走G1級が47頭中20頭(43%)で、出走馬全体の144頭中30頭(21%)の約2倍。前哨戦で権利を逃した組は50頭中4頭(8%)、その他の重賞組は40頭中5頭(12.5%)でした。権利組の6頭中1頭は、率を比べるには頭数が足りません。
レース別では、宝塚記念組が23頭中8頭、札幌記念組が19頭中4頭、安田記念組が8頭中5頭、日本ダービー組が5頭中4頭で3着内に入り、京都大賞典組と新潟記念組は各8頭から3着内が出ていません。この10年はほとんどの年で枠が余っていたので、こうした差を出走馬の決め方の結果と読むことはできません。どのレースを経て本番に向かうかは、各陣営の選択です。
勝ち馬10頭の前走
勝ち馬で前哨戦を使っていたのは2018年のレイデオロ(オールカマーから35日)だけで、2016年のモーリスは札幌記念2着から70日。残る8頭は前走がG1で、126〜154日の間隔をあけていました。2021年のエフフォーリア、2022年のイクイノックス、2025年のマスカレードボールは、日本ダービー2着から直行した3歳馬です。
- 前哨戦で優先出走権を取ったオールカマー1着・毎日王冠1着・京都大賞典1着1頭3%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走4頭13%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む20頭67%
- その他の重賞から5頭17%
- 前哨戦で優先出走権を取ったオールカマー1着・毎日王冠1着・京都大賞典1着6頭4%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走50頭35%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む47頭32%
- その他の重賞から40頭28%
- リステッド・オープン特別から1頭1%
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | モーリス | 札幌記念 | 2着 |
| 2017年 | キタサンブラック | 宝塚記念 | 9着 |
| 2018年 | レイデオロ | オールカマー | 1着 |
| 2019年 | アーモンドアイ | 安田記念 | 3着 |
| 2020年 | アーモンドアイ | 安田記念 | 2着 |
| 2021年 | エフフォーリア | 日本ダービー | 2着 |
| 2022年 | イクイノックス | 日本ダービー | 2着 |
| 2023年 | イクイノックス | 宝塚記念 | 1着 |
| 2024年 | ドウデュース | 宝塚記念 | 6着 |
| 2025年 | マスカレードボール | 日本ダービー | 2着 |
地方所属馬・外国馬・せん馬と褒賞金
地方所属馬
地方所属馬は、前哨戦3レースで2着まで入れば天皇賞(秋)に優先して出られます。約1年以内に中央の芝G1か指定された外国のG1を勝った馬も優先され、同じ条件で2着だった馬は申し込みだけができます。2026年の申込締切は前哨戦が9月2日、天皇賞(秋)が10月13日。前哨戦に出る段階でも、中央の重賞で2着以内などの芝の実績を持つ馬が先に選ばれます。
外国調教馬とせん馬
外国馬の特別登録は出馬投票と同じ10月29日の1回だけで、2週前の第1回特別登録の一覧には現れません。ジャパンカップのような招待の仕組みはなく、2016〜2025年に外国で調教された馬の出走はありませんでした。せん馬は2008年から出走できます。
褒賞金と特別出走奨励金
同じ年度に天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念を勝った馬の褒賞金は、2025年度に内国産馬3億円、外国産馬1.5億円へ増額されました。同じ年度には、大阪杯・天皇賞(春)・宝塚記念を含む6レースのうち3勝した馬への褒賞金もできています。2026年度は、天皇賞(秋)で11着以下だったJRA所属のオープン馬に200万円の特別出走奨励金が出ます。
よくある質問
前哨戦を使わずに直行しても出られる?
出られます。前哨戦の1着は優先の枠に入るための条件で、出走そのものの条件ではありません。レーティング上位か出走馬決定賞金の順で枠に入れば走れ、この10年の勝ち馬も8頭はG1から間をあけて臨んでいました。
毎日王冠で負けたら、天皇賞(秋)には出られない?
出られます。優先の枠に入らないだけで、レーティング上位10頭か出走馬決定賞金の順で枠を争います。この10年、毎日王冠で権利を取れないまま本番に出た馬は30頭いて、上の「優先出走権を使った馬は10年で6頭」の節で名前を挙げた4頭が3着内に入りました。
3歳馬は出られる? 斤量は何kg?
1987年から出られるようになり、斤量は56kg(牝馬54kg)で、4歳以上より2kg軽く決められています。出走枠の順番は古馬と共通です。この10年では2021年・2022年・2025年の3回、3歳馬が勝ちました。
2026年の登録馬はいつわかる?
中央馬の第1回特別登録の締切が10月18日(日)で、例年この時点の出走馬決定順一覧をJRAが公表しています。レーティングの順位は特別登録の翌日、出馬投票は10月29日(木)。外国馬の登録もこの日なので、出走馬が固まるのは10月29日です。
- JRA所属馬の権利は前哨戦3レースの1着だけ(地方所属馬は2着まで)。2026年はオールカマーを勝ったメイショウゲキリンが権利を持つ
- 賞金の境目が問題になるのは登録が18頭を超えた年だけで、この10年では2017年のみ。まず10月18日の特別登録の頭数を見る(外国馬は10月29日に登録し、優先して枠に入る)
- 前哨戦組は出走馬の39%(144頭中56頭)を占めるが、3着内30頭の中では5頭。ルート別の3着内率(前走G1級47頭中20頭=43%、権利なしの前哨戦組50頭中4頭=8%)と並べて読む