日本ダービーの出走条件 — 皐月賞・青葉賞・プリンシパルSと賞金順
- 18頭の枠は皐月賞5着以内・青葉賞2着以内・プリンシパルS1着 → 外国馬 → 地方馬 → 芝の収得賞金の順で埋まる
- 2016〜2025年の勝ち馬10頭は、権利で出た馬と賞金の順番で出た馬が5頭ずつ(当時の規定による。現行の5着以内に当てはめるとレイデオロも権利組)
- 権利組74頭の3着内率は31%。皐月賞などで権利の着順に届かなかった55頭は5%、出走馬全体は178頭中30頭の17%
日本ダービー(東京優駿)の条件と、18頭の枠が埋まる順番
2026年の日本ダービー(東京優駿)は第93回で、5月31日に東京の芝2,400m(左回り・Cコース)で行われました。出走できるのは牡馬と牝馬の3歳で、未出走馬と未勝利馬は除かれ、せん馬には資格がありません。負担重量は馬齢重量の牡馬57kg・牝馬55kg、フルゲートは18頭。1着の本賞金は3億円で、2023年に2億円から引き上げられた額です。1934年の第3回から、東京競馬場の芝2,400mという舞台は一度も変わっていません。
ダービーは特別登録が18頭を超える年がほとんどで、出走できる馬は下の表の順に決まります。先頭は3つの権利レースで優先出走権を取った馬、次が外国馬と地方所属馬で、残りを芝のレースで積んだ収得賞金の多い順に並べて18頭で締め切る形です。この並べ方は春の3歳G1に共通しており、全G1の比較は総合記事にまとめています。
| 順番 | 入る馬 | 条件(2026年) |
|---|---|---|
| ① | 優先出走権を持つ馬 | 皐月賞5着以内・テレビ東京杯青葉賞2着以内・プリンシパルS1着。出走馬決定順一覧では「GⅠ等優先」と表示 |
| ② | 外国馬 | 2010年から国際競走 |
| ③ | 地方所属馬 | 京都新聞杯1・2着など、地方馬向けに定めた成績を満たした馬 |
| ④ | 芝の収得賞金の多い順 | 中央の芝のオープン・1勝クラスと、パートⅠ国の芝の競走で得た額。同じ額で境目に並んだら抽選 |
賞金順で入る馬 — 芝の収得賞金と18頭の境目
権利を持たない馬は、芝の収得賞金の多い順に並びます。2025年からは中央の芝で行うオープン競走・1勝クラス競走と、パートⅠ国の芝の競走で得た収得賞金だけを数える決まりで、ダートの賞金は入りません。新馬戦・未勝利戦もこの対象の外なので、そこを勝って得た400万円も外れます。2026年の出走馬決定順一覧でも、ロブチェンは通算の収得賞金1億3,900万円に対して、順番を決める額が1億3,500万円でした。
特別登録は10回中9回、18頭を超えていた
JRAの出走馬決定順一覧を見ると、2016〜2025年の特別登録は18〜25頭で、18頭以下だったのは18頭ちょうどの2021年だけです。本番は10回のうち8回が18頭立てでした。
一覧で18番目にいた馬の賞金は、通算の額で並べていた2016〜2024年(2021年を除く)が1,150万〜2,000万円。芝の額に変わった2025年は500万円で、17〜19番目に同じ500万円の3頭が並びました。2026年は800万円です。この18番目はあくまで特別登録の時点の順位で、上位に回避馬が出れば、実際に出走できる賞金の線はもっと低くなります。2026年は15番目のベレシート(1,900万円)が出走せず、500万円で19・20番目に並んだ2頭のうち、20番目のケントンが出走しました。
勝ち馬10頭 — 権利で出た5頭、賞金で出た5頭
2016〜2025年の勝ち馬のうち、当時の規定で優先出走権を持って出たのはマカヒキ、コントレイル、ドウデュース、タスティエーラ、クロワデュノールの5頭です。残る5頭は、特別登録の一覧に賞金の順番で並んでいました。レイデオロ(2017年・9番目)、ワグネリアン(2018年・11番目)、ロジャーバローズ(2019年・15番目)、シャフリヤール(2021年・14番目)、ダノンデサイル(2024年・12番目)です。
2017年度までは皐月賞4着以内
皐月賞からダービーへの権利は、2017年度まで4着以内でした。2018年度に5着以内へ広げられ、青葉賞2着以内とプリンシパルS1着はそのまま残っています。2017年のレイデオロは皐月賞5着で当時は権利がなく、4,250万円の賞金で一覧に並んでいました。2016年に皐月賞5着だったリオンディーズも、5,000万円で10番目に並んで出走しています。
ダノンデサイルは皐月賞を競走除外
2024年のダノンデサイルは、皐月賞のスタート直前に競走除外となって着順が付かず、権利を得ていません。一覧の12番目(2,450万円)で出走し、そのまま勝ちました。除外は前走に数えないので、下の表の前走は1月の京成杯です。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | マカヒキ | 皐月賞 | 2着 |
| 2017年 | レイデオロ | 皐月賞 | 5着 |
| 2018年 | ワグネリアン | 皐月賞 | 7着 |
| 2019年 | ロジャーバローズ | 京都新聞杯 | 2着 |
| 2020年 | コントレイル | 皐月賞 | 1着 |
| 2021年 | シャフリヤール | 毎日杯 | 1着 |
| 2022年 | ドウデュース | 皐月賞 | 3着 |
| 2023年 | タスティエーラ | 皐月賞 | 2着 |
| 2024年 | ダノンデサイル | 京成杯 | 1着 |
| 2025年 | クロワデュノール | 皐月賞 | 2着 |
3つの権利レース — 皐月賞・青葉賞・プリンシパルSの2026年の条件
ダービーの優先出走権が付くのは、中山の皐月賞と、東京で行われるテレビ東京杯青葉賞・プリンシパルステークスの3レースです。
桜花賞や皐月賞のトライアルでは、未勝利のまま出た馬に1つ厳しい着順が求められます。青葉賞とプリンシパルSにこの差はなく、未勝利馬でも1勝以上の馬と同じ着順で権利を取れます。出走資格は「3歳」とだけあり、せん馬も出走可能です。本番が牡・牝に限られるので、せん馬は2着以内に入ってもダービーへは進めません。
2025年に青葉賞・プリンシパルSが1週早まった
GⅠとの間隔を広げるため、2025年度に青葉賞は2回東京の3日目から1日目へ、プリンシパルSは5日目から4日目へ移りました。青葉賞からダービーまでの間隔は、2019〜2024年の29日から36日に延びています。
京都新聞杯は地方馬だけの権利レース
5月9日の京都新聞杯(GⅡ・京都芝2,200m外回り)は、JRA所属馬にはダービーの権利が付きません。勝てば本賞金5,400万円の半額の2,700万円が収得賞金に加わり、その分だけ賞金の順番が上がります。
| 項目 | 皐月賞 | 青葉賞 | プリンシパルS |
|---|---|---|---|
| 2026年の日付 | 4月19日(日) | 4月25日(土) | 5月3日(日・祝) |
| コース | 中山 芝2,000m(右) | 東京 芝2,400m(左) | 東京 芝2,000m(左) |
| 格 | GⅠ | GⅡ | リステッド |
| 出走資格 | 牡・牝の3歳(未出走・未勝利馬を除く) | 3歳(未出走・未勝利馬も出られる) | 3歳(同) |
| 負担重量 | 馬齢 牡57kg・牝55kg | 馬齢 牡・せん57kg・牝55kg | 馬齢 牡・せん57kg・牝55kg |
| フルゲート | 18頭 | 18頭 | 18頭 |
| 1着本賞金 | 2億円 | 5,400万円 | 2,100万円 |
| ダービーまで | 6週 | 5週 | 4週 |
| ダービーの権利 | 5着以内 | 2着以内(未勝利馬も同じ) | 1着(未勝利馬も同じ) |
権利レースの出走馬はどう決まるか
青葉賞とプリンシパルSは3歳のオープン競走です。18頭を超えた場合、どちらも外国馬と芝の実績で選ばれた地方所属馬が先に入り、残りは通算の収得賞金が多い順です。ダービーと違ってダートで得た賞金も数え、同じ額で境目に並んだ馬は抽選になります。ただしプリンシパルSは重賞ではないため、直前2か月以内にオープン競走(重賞を除く)で除外された馬の優先出走が、賞金の順番より先に入ります。重賞の青葉賞には、この次走の優先はありません。
この時期の3歳は収得賞金500万円以下なら1勝クラスの扱いで、1勝馬の出走は格上挑戦にあたりますが、3歳のオープン競走はクラスで分けずに賞金の額だけで並べます。未出走馬・未勝利馬は収得賞金が0で、並びの最後です。皐月賞への出方は、皐月賞の出走条件のページにまとめています。
2016〜2025年に青葉賞が18頭に達したのは2018・2020・2021年の3回で、プリンシパルSは最多でも17頭(2016年)、2023年は7頭立てでした。出走馬の前走を見ると、青葉賞の153頭では1勝クラスからが73頭、未勝利戦からが22頭、プリンシパルSの131頭では1勝クラスからが46頭、未勝利戦からが32頭でした。
着順と収得賞金の加算
2026年の本賞金で計算すると、収得賞金に加わる額は皐月賞1着が1億円、2着が4,000万円、青葉賞1着が2,700万円、2着が1,100万円、プリンシパルS1着が1,200万円です。どれも芝のオープン競走なので、ダービーの賞金順にもそのまま入ります。重賞の3着以下に加算はなく、皐月賞6着以下の馬はそれまでに積んだ芝の賞金で並ぶことになります。
| トライアル | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| 皐月賞 | 平均17.5頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞77%・OP19%・条件戦5% |
| 青葉賞 | 平均15.3頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞24%・OP10%・条件戦67% |
| プリンシパルS | 平均13.1頭(2016〜2025年の10回・最多17頭) | 重賞21%・OP8%・条件戦69%・地方/海外2% |
【データ】出走馬178頭と3着内30頭の前走
2016〜2025年のダービー10回には178頭が出走し、そのうち権利組が74頭でした。ここからは、この178頭を直前に走ったレースで分けた当サイトの集計です。権利の有無は2026年の着順に当てはめた判定で、当時は権利がなかった2016・2017年の皐月賞5着馬(リオンディーズ、レイデオロ)も権利組に入っています。
3着内30頭のうち23頭(77%)が権利組でした。出走馬178頭の中でも権利組は74頭(42%)を占め、その中で3着内に入ったのは23頭、率にして31%です。トライアルに出て権利の着順に届かなかった55頭は、3着内が3頭(5%)にとどまりました。
トライアル以外の重賞から来た35頭では、4頭(11%)が3着内に入っています。京都新聞杯組のロジャーバローズ(2019年1着)とショウヘイ(2025年3着)、毎日杯組のシャフリヤール、京成杯組のダノンデサイルです。前走G1級の12頭は11頭がNHKマイルCからで、3着内はいませんでした。
権利組は皐月賞で上位に来た馬の集まりでもあるので、31%という率を権利そのものの効き目と読むことはできません。
- トライアルで優先出走権を取った皐月賞5着以内・青葉賞2着以内・プリンシパルS1着74頭41%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走55頭31%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む12頭7%
- その他の重賞から35頭20%
- 条件戦から1勝〜3勝クラス・新馬・未勝利2頭1%
- トライアルで優先出走権を取った皐月賞5着以内・青葉賞2着以内・プリンシパルS1着23頭77%
- トライアルから(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走3頭10%
- その他の重賞から4頭13%
皐月賞組・青葉賞組・プリンシパルS組の違い
本番に出た数が最も多いのは皐月賞組で、10回で99頭が出て23頭が3着内に入りました。皐月賞5着以内から出た48頭は20頭が3着内(42%)、6着以下から出た51頭は3頭(6%)です。その3頭は、2017年のスワーヴリチャード(皐月賞6着→2着)、2018年のワグネリアン(7着→1着)、2020年のヴェルトライゼンデ(8着→3着)でした。
青葉賞組は20頭が出走し、3着内は2017年のアドミラブルと2023年のハーツコンチェルトで、どちらも3着です。権利を持って出た17頭の中では12%になります。プリンシパルS組の10頭からは、2018年のコズミックフォース(3着)が唯一の3着内でした。この10年、青葉賞とプリンシパルSから来た勝ち馬はいません。どちらも本番に出る頭数が少なく、1頭で率が大きく動きます。
| トライアル・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| 皐月賞・5着以内 | 99(48) | 23(20) |
| 青葉賞・2着以内 | 20(17) | 2(2) |
| プリンシパルS・1着 | 10(9) | 1(1) |
地方所属馬・外国馬と、クラシック登録
地方所属馬
2026年度に地方所属馬がダービーで優先される道は3つあります。1つは青葉賞1・2着、プリンシパルS1着、京都新聞杯1・2着というステップ競走の成績。2つめは皐月賞5着以内のようにJRA所属馬と同じ権利で、3つめが中央の3歳芝重賞の1着か、過去約1年の芝GⅠ(中央か指定された外国のG1)の1着です。2026年の申込締切は、ステップ競走が4月8日、ダービーが5月12日でした。
3つめの道が加わったのは2023年度で、それまで地方馬に固有の権利は京都新聞杯2着以内だけでした。2017〜2026年の特別登録の一覧に、地方所属馬は見当たりません。
外国馬・外国産馬
外国産馬は2001年から出られるようになり、2010年の国際競走化で外国調教馬にも開かれました。2017〜2026年の登録に外国調教馬はいません。
クラシック登録と追加登録
2026年のダービーに出るには、2025年10月24日(1万円)、2026年1月23日(3万円)、5月17日(36万円)の3回の特別登録をすべて済ませる必要がありました。申し込みそびれた馬でも、5月17日の第3回の締切までなら200万円の追加登録料で途中から加われます。決定順一覧に追加登録の記載がある例は、2022年のセイウンハーデスとヴェローナシチー、2023年のメタルスピード、2024年のビザンチンドリームです。
よくある質問
ダービーの優先出走権は何着まで?
皐月賞は5着、青葉賞は2着まで、プリンシパルSは1着の馬だけです。未勝利のまま出た馬でも、この線は変わりません。京都新聞杯で権利を取れるのは地方所属馬に限られます。
皐月賞で6着以下だとダービーには出られない?
権利はなくても、賞金の順番(2025年からは芝の収得賞金)で18頭の内側に入れば出られます。2018年のワグネリアンは皐月賞7着から、当時の通算の収得賞金の順番(一覧の11番目)で出走しました。何番目・いくらなら届いたかの目安は、「賞金順で入る馬」の節にあります。
京都新聞杯や毎日杯を勝てばダービーに出られる?
JRA所属馬には権利が付かないので、賞金の順番しだいです。2021年のシャフリヤールは毎日杯を勝った後、一覧の14番目から出走して1着になりました。
クラシック登録をしていない馬は出られない?
2026年なら5月17日の第3回の締切までに、追加登録をすれば出られます。ただしせん馬は追加登録でも申し込めません。
- ダービーの権利が付くのは皐月賞・青葉賞・プリンシパルSの3レースだけ。京都新聞杯や毎日杯を勝ったJRA所属馬は、芝の収得賞金の順番で枠を争う
- 皐月賞からの権利は2017年度まで4着以内だった。2016・2017年の皐月賞5着馬は、権利ではなく賞金の順番で出ている
- 皐月賞組は3着内30頭中23頭を占めるが、出走馬178頭の中でも99頭いる。3着内の内訳は出走頭数と並べて読む