安田記念の出走条件 — マイラーズC・京王杯SC1着と3歳馬の出方
- 出走枠の割り当てはレーティング上位10頭、マイラーズC・京王杯SCの勝ち馬、外国馬、地方馬、出走馬決定賞金の順
- 前哨戦2レースは4歳以上限定。JRA所属の3歳馬(54kg)は優先出走権を取る場がなく、レーティングか賞金の順番で枠に入る
- 2016〜2025年の前走G1級は出走馬162頭中73頭(45%)、3着内30頭中20頭。前哨戦を勝って出た14頭の3着内は4頭で、勝ち馬はいない
2026年の安田記念と、2つの前哨戦の条件
第76回となった2026年の安田記念は、6月7日に東京の芝1600mで行われました。2016年から11回続けて、ダービーの翌週にあたる3回東京の2日目です。出走できるのは3歳以上の馬(未出走馬・未勝利馬を除く)です。負担重量は定量で、4歳以上58kg・3歳54kg、牝馬は各2kg減。1着本賞金は1億8,000万円です。
優先出走権が付く前哨戦は、4月の読売マイラーズC(京都芝1600m)と5月の京王杯スプリングC(東京芝1400m)の2つ。どちらも4歳以上のGⅡで、JRA所属馬は1着だけが本番の権利を得ます(地方所属馬は2着以内)。
| 項目 | 安田記念 | 読売マイラーズC | 京王杯スプリングC |
|---|---|---|---|
| 2026年の日付 | 6月7日(日) | 4月26日(日) | 5月2日(土) |
| コース | 東京 芝1600m(左) | 京都 芝1600m(右・外) | 東京 芝1400m(左) |
| 格 | GⅠ | GⅡ | GⅡ |
| 出走資格 | 3歳以上(未出走・未勝利馬を除く) | 4歳以上(未出走・未勝利馬を除く) | 4歳以上(未出走・未勝利馬を除く) |
| 負担重量 | 定量 4歳以上58kg・3歳54kg、牝馬2kg減 | 別定 57kg、牝馬2kg減。2025年4月26日以降のGⅠ(牝馬限定を除く)1着は2kg増、牝馬限定GⅠかGⅡ(牝馬限定を除く)1着は1kg増、それより前のGⅠ(牝馬限定を除く)1着は1kg増 | 別定 57kg、牝馬2kg減。2025年5月3日以降のGⅠ(牝馬限定を除く)1着は2kg増、牝馬限定GⅠかGⅡ(牝馬限定を除く)1着は1kg増、それより前のGⅠ(牝馬限定を除く)1着は1kg増 |
| フルゲート | 18頭 | 18頭 | 18頭 |
| 1着本賞金 | 1億8,000万円 | 5,900万円 | 5,900万円 |
| 特別登録(中央馬) | 5月24日(6万円)・6月4日(24万円) | 4月19日(2万円)・4月23日(8万円) | 4月26日(2万円)・4月30日(8万円) |
| 安田記念の権利 | — | 1着(地方馬は2着以内) | 1着(地方馬は2着以内) |
18頭の枠が埋まる順番と、特別登録の境目
出馬投票が18頭を超えた年は、下の表の①から順に枠が決まります。レーティング枠は2025年までの5頭から、2026年度に10頭へ増えました。
5月25日に発表された順位
特別登録した日本馬のうち16頭が順位表に載り、ガイアフォースとレーベンスティールが117で1位と2位、10位のルクソールカフェは113でした。3歳のアスクイキゴミも116で3位です。前哨戦を勝ったアドマイヤズーム(112)とワールズエンド(111)は、どちらも11位以下に並んでいます。
賞金の順番と18番目の額
賞金の順番を決める出走馬決定賞金は、2026年なら収得賞金に、2025年6月7日〜2026年6月3日の収得賞金算入額と、2024年6月1日〜2026年6月3日のGⅠで得た収得賞金の額を加えた合計です。
JRAが公表する決定順一覧によると、特別登録の頭数が18を上回ったのは2016〜2026年の11回のうち6回(2017・2018・2022・2023・2025・2026年)。18番目の額は2022年のエアロロノアが8,000万円、2023年のソウルラッシュが7,750万円と高く、2025年のホウオウリアリティは2,400万円でした。外国馬が登録すると日本馬の枠は減り、2017年は外国馬2頭の分、日本馬は16番目までが圏内でした。
本番の18頭立ては2016〜2025年の10回中5回で、2022年からは2025年まで毎年18頭がそろいました。2017年のロンギングダンサー、2018年のモズアスコット(後述)、2025年のグラティアスは、登録時点では圏外で、上の馬が出走しなかったために本番を走っています。2026年は登録20頭から3頭が抜け、17頭立てでした。
| 順番 | 入る馬 | 2026年の条件 |
|---|---|---|
| ① | レーティング上位10頭 | 出馬投票した馬の中での上位10頭。110以上、牝馬は106以上に限る。2025年までは5頭 |
| ② | マイラーズC・京王杯SCの1着馬 | その年度の前哨戦を勝った馬。決定順一覧の表示は「GⅠ等優先」 |
| ③ | 外国馬 | 国際競走のため、賞金の順番より先 |
| ④ | 地方所属馬 | 前哨戦2レースの2着以内、または約1年内に芝の中央GⅠか指定の外国G1で1着 |
| ⑤ | 出走馬決定賞金の多い順 | オープン馬を先に並べ、3勝クラス以下はその後ろ。同じ額で境目に並べば抽選 |
3歳馬は前哨戦を使えない — レーティングか賞金で出る
3歳馬も出られるレースですが、権利が付くマイラーズCと京王杯SCは4歳以上限定で、3歳馬には優先出走権を取る場がありません。JRA所属の3歳馬は、レーティングの10頭枠か、出走馬決定賞金の並びで18番以内を狙うことになります。負担重量は4歳以上より4kg軽い54kg(牝馬は52kg)です。
賞金の並びでは、クラスの扱いが関わってきます。2026年度の競馬番組で別に定める表だと、6月6日〜9月18日の3歳馬は4歳以上と同じ区分で、オープン馬になるには収得賞金1,600万円超が必要。6月7日の安田記念はこの期間に入るため、1,600万円以下の3歳馬は、出走馬決定賞金の額が多くてもオープン馬の後ろに回ると読めます。
近年3歳で出走した馬には、2021年に3着のシュネルマイスター(前走NHKマイルC1着)、2022年のセリフォス、2023年のシャンパンカラーとドルチェモアがいます。2026年はNHKマイルC2着のアスクイキゴミがレーティング3位で登録したものの、出走しませんでした。
マイラーズC・京王杯SCにはどうすれば出られるか
2つの前哨戦には、個別の選び方の定めがありません。頭数があふれたときは古馬の重賞と同じ手順で、外国馬と芝実績のある地方所属馬を先に入れ、あとはオープン馬、3勝クラスの馬と上のクラスから並べ、クラスが同じなら出走馬決定賞金の額で比べます。レーティングの枠はなく、前走の着順も順位に使いません。
オープン馬でない馬も申し込めます。2016〜2025年に前走が条件戦だった馬は、マイラーズCが133頭中8頭(うち3勝クラス7頭)、京王杯SCが149頭中15頭(すべて3勝クラス)。同じ10年で前走がG1だった馬は京王杯SCが149頭中35頭(23%)、マイラーズCは133頭中6頭(5%)と差がありました。
18頭立ては京王杯SCの2018年と2023年だけで、マイラーズCは最も多い2024年でも17頭、2019年と2025年は10頭でした。
日程の変更
京王杯SCは2024年まで5月中旬の土曜、本番のおよそ3週前でしたが、2025年に5月初めへ移りました。2026年は5月2日で本番まで5週、マイラーズC(4月26日)からは6週です。マイラーズCは京都競馬場の改修で2021・2022年を阪神で行い、2023年に京都へ戻っています。
| 前哨戦 | 出走頭数 | 出走馬の前走 |
|---|---|---|
| マイラーズC | 平均13.3頭(2016〜2025年の10回・最多17頭) | 重賞53%・OP36%・条件戦6%・地方/海外5% |
| 京王杯SC | 平均14.9頭(2016〜2025年の10回・最多18頭) | 重賞70%・OP17%・条件戦10%・地方/海外3% |
【データ】出走馬162頭の前走 — G1級は出走馬の45%、3着内の67%
以下は当サイトで数えた結果です。2016〜2025年の安田記念10回の出走馬162頭を、直前のレースで5つに分けました。権利を持っていたかどうかは、2026年の規定を過去の年に当てはめた判定です。
10年間の出走馬162頭で最も多いのは前走G1級の73頭(45%)で、3着内30頭では20頭(67%)を占めます。この組の3着内率は73頭中20頭の27%で、出走馬全体の162頭中30頭(19%)を上回りました。中身はレースで分かれ、ヴィクトリアマイル組は15頭中7頭、ドバイターフ組は8頭中4頭が3着内に入っています。大阪杯組は18頭(GⅠになる前の2016年の1頭を含む)が出走し、3着内は2018年3着のスワーヴリチャードだけでした。
前哨戦から来た60頭のうち、1着で権利を持っていた14頭は3着内が4頭(29%)、2着以下の46頭は3頭(7%)です。14頭の組は1頭の違いで率が7ポイントほど動きます。前走で1着だった馬は、10年間の3着内30頭では13頭(43%)、出走馬162頭の中では25%でした。
- 前哨戦で優先出走権を取ったマイラーズC1着・京王杯SC1着14頭9%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走46頭28%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む73頭45%
- その他の重賞から25頭15%
- リステッド・オープン特別から4頭3%
- 前哨戦で優先出走権を取ったマイラーズC1着・京王杯SC1着4頭13%
- 前哨戦から(権利なし)権利の着順に届かず、賞金などで出走3頭10%
- 前走G1級海外・地方のG1・JpnIを含む20頭67%
- その他の重賞から2頭7%
- リステッド・オープン特別から1頭3%
マイラーズC組と京王杯SC組 — 権利を持って出た14頭
前哨戦を勝った延べ20頭(2016〜2025年)のうち、安田記念を走ったのは延べ14頭です(2022・2024年のソウルラッシュを2回数える)。マイラーズCの勝ち馬は2016年のクルーガー(登録せず)を除く9頭が出走し、京王杯SCの勝ち馬は5頭でした。京王杯SCでは2022年のメイケイエール、2024年のウインマーベル、2025年のトウシンマカオが登録せず、2018年のムーンクエイクと2019年のタワーオブロンドンは登録までして本番には出ていません。
権利を持って出た14頭の3着内は4頭で、着順はすべて3着でした。京王杯SCを勝った2017年のレッドファルクスと、マイラーズCを勝った2020年のインディチャンプ、2023年のシュネルマイスター、2024年のソウルラッシュです。
前哨戦で負けて本番を勝った2頭
勝ち馬10頭の中で前哨戦から来たのは2頭で、どちらも権利を逃した馬でした。2017年のサトノアラジンは京王杯SC9着からの優勝で、前年の2016年は京王杯SCを勝ち、権利を持って本番に出て3着内に届いていません。2019年のインディチャンプはマイラーズC4着から勝ち、翌年はマイラーズCを勝って臨んで3着でした。
2026年は、マイラーズCを勝ったアドマイヤズームが本番を回避し、京王杯SCを勝ったワールズエンドは2着(同着)に入っています。
| 前哨戦・権利の着順 | 2016〜2025年の本番に出走(うち権利あり) | 3着内(うち権利あり) |
|---|---|---|
| マイラーズC・1着 | 38(9) | 5(3) |
| 京王杯SC・1着 | 22(5) | 2(1) |
勝ち馬10頭の前走 — 2020年からは6年続けてG1級
2016〜2019年の勝ち馬4頭に、前走がGⅠだった馬はいません。2020〜2025年の6頭は、国内外のG1級のレースから来ています。ソングラインは2022年にヴィクトリアマイル5着から、2023年は同じレースを勝ってから、どちらも3週間後の安田記念を制しました。
間隔の空いた勝ち馬もいます。2021年のダノンキングリーは前年秋の天皇賞(秋)12着から217日ぶり、ジャンタルマンタル(2025年)は12月の香港マイル13着から182日ぶりでした。2024年のロマンチックウォリアーは香港からの遠征馬で、QE2世Cを勝って臨み、1番人気で勝っています。
登録の最後尾から勝った2018年
2018年のモズアスコットは、特別登録の時点で外国馬を含む19頭の最下位でした。ムーンクエイク、タワーオブロンドン、スターオブペルシャが出走しなかったため本番は16頭立てとなり、前の週の安土城S2着から連闘で出走。9番人気で勝ち、初めての重賞勝ちがGⅠになりました。
| 年 | 勝ち馬 | 前走 | 前走の着順 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | ロゴタイプ | ダービー卿CT | 2着 |
| 2017年 | サトノアラジン | 京王杯SC | 9着 |
| 2018年 | モズアスコット | 安土城S | 2着 |
| 2019年 | インディチャンプ | マイラーズC | 4着 |
| 2020年 | グランアレグリア | 高松宮記念 | 2着 |
| 2021年 | ダノンキングリー | 天皇賞(秋) | 12着 |
| 2022年 | ソングライン | ヴィクトリアマイル | 5着 |
| 2023年 | ソングライン | ヴィクトリアマイル | 1着 |
| 2024年 | ロマンチックウォリアー | QE2世C | 1着 |
| 2025年 | ジャンタルマンタル | 香港マイル | 13着 |
地方所属馬・外国馬が安田記念に出るには
安田記念は国際・指定の競走で、2026年度に地方所属馬が優先されるのは、その年度のマイラーズCか京王杯SCで2着以内の馬と、約1年の間に中央の芝GⅠか指定の外国G1を勝った馬。芝GⅠ・外国G1の2着馬は申込みだけが認められます。申込締切は安田記念が5月19日、前哨戦が4月8日で、1つのGⅠに向けて使える前哨戦は1レースに限られます。
前哨戦に出る段階では、芝で実績のある地方馬(中央の芝重賞2着以内など)が優先され、それ以外も収得賞金1,600万円超なら申し込めますが、中央馬を含めた選定で上位に入った場合に限って出走できます。
地方馬の道は2023年度に今の形(前哨戦2レースの2着以内と、芝GⅠ・外国G1の1着)に改められました。2016〜2026年の決定順一覧を見た範囲で、地方所属の馬の登録は0頭です。
外国馬とせん馬
外国調教馬は、出走枠の順番の表で③にあたり、地方馬より前に入ります。2016〜2026年の登録は2016年のコンテントメント、2017年のコンテントメントとビューティーオンリー、2018年のウエスタンエクスプレス、2024年のヴォイッジバブルとロマンチックウォリアーで、全頭が出走しました。性別による制限がなく、せん馬にも出走資格があります。
よくある質問
安田記念に3歳馬は出られますか?
出られます。負担重量は54kg(牝馬52kg)で、前哨戦2つが4歳以上限定のため、枠に入る道はレーティングか賞金です。クラスの扱いは3歳馬の節にまとめました。
マイラーズCや京王杯SCで2着なら優先して出られますか?
JRA所属馬が優先されるのは1着だけです。2着以下でもレーティングの10頭枠や賞金の並びで出走でき、2016〜2025年には前哨戦で2着以下だった46頭が本番を走りました。地方所属馬は2着まで優先されます。
東京新聞杯やエプソムCを勝つと優先出走権はありますか?
付きません。JRAが主なステップに挙げる東京新聞杯、ダービー卿CT、エプソムCは、勝っても優先出走権はなく、収得賞金やレーティングが上がって、賞金の並びやレーティング上位10頭の枠で有利になるだけです。2026年に東京新聞杯とエプソムCを勝ったトロヴァトーレは、レーティング8位で登録していました。
安田記念は毎年18頭立てですか?
毎年ではありません。2016〜2025年は18頭立てと16頭以下の年が5回ずつで、最少は2016年の12頭、2026年は17頭でした。登録が多かった年の境目の額は、順番の節で挙げています。
- JRA所属馬の権利はマイラーズC・京王杯SCの1着だけ。東京新聞杯・ダービー卿CT・エプソムCは勝っても優先出走権はなく、収得賞金とレーティングが上がるだけ
- 京王杯SCは2025年から5月初めに移り、2026年は本番まで5週空いた。2024年までは本番のおよそ3週前だった
- 前走G1級は3着内の3分の2を占めるが、出走馬の中でも45%いる。3着内の内訳は、出走馬の内訳と並べて読む